【CVR改善】「読まれてもコンバージョンしない」をClarityのレコーディングで改善。CVR1.78%→3.01%になった事例紹介

「LPはちゃんと読まれているのに、なぜかコンバージョンに繋がらない…」

広告運用をしていると、こんな状況に悩むことはありませんか?

今回ご紹介するのは、Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ)のレコーディング機能を使って、LP改善を実施した施策紹介レポートです。

今回の施策では、結果、CVRが1.78%から3.01%まで改善し、CPAも¥10,982から¥5,630へ約半減させることができました。

この記事では、どのように課題を発見し、何を変えたのかを詳しくお伝えします。

今回の事例

今回の事例は、SNS運用を教えるオンラインスクール様のLP改善です。Instagram広告からLPへ誘導し、無料相談会への申込み(LINE登録)をコンバージョンとしていました。

こんな人に読んでほしい

  • CVRの改善やLPの改善をどう進めたらいいかわからない
  • CVRを改善するために、そこらにあるノウハウじゃない実務で使えるノウハウが知りたい
  • そもそも、CVRの改善施策やLPの改善施策をあまり打ったことがない
  • LPのコンセプトはハッキリしているし、読まれてそうなのに、なぜかCVRが悪い
  • CPA改善のために、細かい施策を知りたい

課題:CVRが目標の半分以下、獲得効率も最悪

当時の数字を見てみると、状況は以下のとおりでした。

CVR・CPAの目標値と実数値
指標目標実数値
CVR3%1.78%
CPA¥5,000¥10,982

目標CPAに対して、100%以上の乖離があり、このまま継続配信していても達成は厳しい状況でした。そこで数字を順に見たところ、過去実績と比較し、CPCよりもCVRが低いことがわかったため、CVRが問題であるとし改善策を考えることにしました。

なぜCVRが低いのか、Clarityで探る

「なぜコンバージョンに至らないのか」原因を探るため、導入していたMicrosoft Clarityで分析を行いました。ここでは、実際にどのような手順で分析を進めたのかを詳しくお伝えします。

Step1:レコーディング一覧をざっくり眺める

まず、レコーディング機能を開き、左側に表示されるセッション一覧をパーっと眺めるところから始めました。

この段階では細かく分析するのではなく、「全体的にどんな傾向がありそうか」を感覚的に掴むことが目的です。一覧を見ていると、滞在時間が長いユーザーが多いという印象を受けました。

Step2:コンバージョンした人の傾向を確認する

次に、「コンバージョンに至った人=滞在時間が長いのでは?」という仮説を検証しました。

今回は最終コンバージョンであるLINE登録までは追えないため、手前のCTAボタンをクリックした人に絞ってヒートマップを確認しました。

すると、意外な結果が見えてきました。コンバージョンに至った人は、むしろ滞在時間が短い人が多そうだったのです。

💡 今回「滞在時間が長い」の定義は、1分以上アクティブにサイトを見ているとしています。

ここで補足ですが、ここまでの段階では「何%のユーザーがどうだった」という正確な数値は取っていません。

毎回きっちり計算していると時間がかかり、仮説が違いそうな時に計算した分の時間が無駄になるため、初手の分析ではある程度感覚値をベースに進めるようにしています。

自分の中で「この方向で間違いなさそうだ」という確証が高まった段階で数値を取りに戻る、という手順で分析を行っています。

Step3:「コンバージョンしていない×滞在時間が長い」人に絞る

コンバージョンした人が滞在時間短めだったということは、長く滞在しているのにコンバージョンしない人には、何か「引っかかり」があるのでは? という仮説が立ちました。

そこで以下の条件でセッションを絞り込みました。

  • CTAボタンをクリックしていない(コンバージョンしていない)
  • 1分以上の滞在がある(興味は持っている)

この条件に該当するユーザーのレコーディングを1件ずつ確認していくことにしました。

Step4:レコーディングから行動パターンを読み解く

条件を絞ったレコーディングを見ていくと、興味深いパターンが浮かび上がってきました。

まずLPを最後まで見てくれているユーザーが多かったです。特にじっくり読まれていたのは以下のセクションでした。

  • ファーストビュー直後の「お客様のbefore→after」セクション
  • 「お客様の声」セクション(スクロールを止めて確認している様子)
  • サービス内容を紹介するカルーセルカード(タップしてスライドを切り替える行動が多い)

上記3つのセクションは全てカルーセルコンテンツにしているのですが、全てのセクションでスライドして次の画面を見る行動が確認でき、そのセクションでの滞在時間も長そうでした。

追加で気になったポイント

  • CTAボタン周りで、一度スクロールが止まる

オファーセクションでスクロールが止まり、明らかにボタン周りを見ていることもわかりました。 しかし見ているだけでクリックには至らないというユーザーが複数見られました。

つまり内容には興味を持ってくれているが、ボタンをクリックして相談会に参加するという行動を起こしてもらうことはできていないということです。

読まれているのに、クリックされない理由を考えてみる

興味を持ってLPを読んでくれているが、CTAをクリックしない。この事実から2つの可能性を考えました。

1. CTAボタン周辺に問題があるのではないか

「申し込んでみようかな」と思っても「でも、実際どんな相談会なんだろう」「顔出しが必要なのかな」「誰が対応してくれるんだろう」といった不安があって、一歩踏み出せていないのではないか。

2. コンテンツ内容も不十分ではないか

コンテンツを読んでいるのにコンバージョンしないということは、読んだ内容で十分に納得できていない可能性もあります。 つまりコンテンツの内容も不十分である可能性が高そうです。

これらを踏まえ、CTAボタン周りのコピー調整コンテンツの具体化の両面からCVR改善を図ることにしました。

実施した施策

1. CTAボタン周りのコピー改善

相談会内容に不安がありCTAボタンをクリックするに至らないと考えたため変更する際は、「相談会がどのように行われるのか」のイメージがつきやすいようにしました。具体的には以下の変更を加えました。

項目BeforeAfter
形式オンライン顔出し不要のオンライン
人数1on1業界に精通したプロとマンツーマン
担当者記載なし担当者の写真を掲載
ボタンコピーLINE登録であることがわかるように明記

「顔出し不要」「業界に精通したプロとマンツーマン」といった情報を追加することで、申し込みのハードルを下げることを狙いました。

2. コンテンツの具体化

LPで読まれている箇所のコンテンツを改めて見直してみると、抽象的な話が多く具体性に欠けているように感じました。「こんな成果が出ます」と書いてはありましたが、具体的な数字や事例がない状態でした。 このままではユーザーは自分ごととしてイメージしにくいのではないかと考え、抽象的だった表現を、より具体的な内容に変更しました。

  • お客様のbefore/after:「〜〜になりました!」という文字だけの表現から、実際の成果物も見せる形に変更(今回はサービスで作成されるアウトプットの具体例を掲載)
  • お客様の声:従来はサービス利用者の声を掲載していたが、LPで訴求している内容とは少しズレていた。今回のLP読者に合わせた内容に変更

「〜〜になりました!」という曖昧な表現ではなく、実際の成果物を見せること。そしてお客様の声も読者が共感しやすい内容にすることで、ユーザーが自分ごととしてイメージしやすくなることを狙いました。

ABテストで1つずつ検証すべきでは?

今回は1箇所だけではなく、複数箇所を同時に変更しています。

「ABテストで1つずつ検証すべきでは?」という考え方もあると思いますが、今回はよくよく見直すと「この表現は変だよね」と思う部分が複数あったため、直すべき箇所はまとめて直すという判断でした。

「試しに直してみる」というスタンスではなく、「これは明らかに直すべき点だ」と思える箇所を洗い出し、一気に改善した形です。

どのように効果検証したか

今回の施策では、主KPIとしてCVR(LINE登録率)を見ていました。

正直なところ、統計的有意差が取れるほどのサンプル数を集めるのは難しい状況でした。そのため、1週間という期間で区切り、「明らかなCVR改善が見られるかどうか」で判断する方針としました。

期間やサンプルサイズの設計については検討の余地がありますが、キャンペーン期間中に素早く改善サイクルを回すことを優先した形です。

結果:CVR約1.69倍、CPA約半減(ついでにCPCまで改善)

1週間の検証期間を経て、結果は以下のとおりでした。

指標BeforeAfter改善率
CVR1.78%3.01%+69%(約1.69倍)
CPA¥10,982¥5,630-49%(約半減)

狙っていたCVR改善が達成でき、CPAも目標の¥5,000にかなり近づきました。

そしてKPI部分以外の効果として、CPCも同時に下がったことが挙げられます。LPの品質が上がったとMeta側に判定され、配信効率が改善した可能性があります。

考察:なぜ効果が出たのか

効果が出た理由として、いくつかのポイントが考えられます。

まず、元のLPの構成自体は悪くなかったということ。だからこそ、細かい部分のコピーをこだわることで後押しができたのだと思います。大きく構成を変える必要はなく、CTAボタン周辺の「最後の一押し」が足りていなかっただけでした。

そして、レコーディング機能でユーザーの迷いを実際に目で確認できたことが大きかったです。数字だけでは見えない「どこで迷っているか」がわかったからこそ、的確な改善ポイントを見つけることができました。

時間はかかりますが、レコーディングを1つずつ見るのは本当に有益です。「お客さんが迷っている様子」を実際に目で見ることで、改善のヒントが必ず見つかります。

ただし、今回は1週間という短期間での検証であり、統計的有意差の検証は行っていません。再現性については、ある程度慎重に見る必要があるでしょう。

今回のアプローチが効くケース

今回のアプローチは、以下のような状況で効果が期待できます。

LPの滞在時間は一定以上あるのにCVRが低い

LPの滞在時間が1分以上読まれているユーザーもいるし、ヒートマップを見ても、一定のユーザーはLPの内容を読んでくれている。それなのにCVRがなかなか上がらない場合は、一定の効果が見込めます。

各セクションは読まれている様子があるがコンバージョンに至らない

ヒートマップでよく読んでいるセクションがあったり、全体を通して暖色寄りでユーザーが読んでくれているが、なかなかコンバージョン(ボタンクリック)がされない場合も使用可能です

無料相談・面談など「対人コミュニケーション」がコンバージョンポイントになっている

LPのCTA(オファー)が相談や面談、カウンセリングなど、対人でのコミュニケーションがコンバージョンになっている場合、特にこのアプローチは有効です。

人材紹介・学習塾・スクール系ビジネスのLP改善

特に、対人コミュニケーションがコンバージョンポイントになりやすく、今回のようなLP修正施策が当たりやすい業種・業界は「人材紹介・学習塾・スクール系」などのビジネスです。面談オファーのLPをまだ制作していない場合は、制作を検討することもオススメです。

もし、自社事業のLPがこれに当てはまるなら、ぜひ試してみてください。ちなみにMicrosoft Clarity無料で使うことが可能です。

おわりに

今回の事例で一番お伝えしたいのは、Clarityのレコーディング機能は本当に使えるということです。

GA4やヒートマップの数値を見ているだけでは、「なぜコンバージョンしないのか」の本当の理由はわかりません。でも、レコーディングで実際のユーザー行動を1件ずつ見ていくと、「ここで迷っている」「ここで止まっている」というリアルな様子が見えてきます。

今回も、レコーディングを見なければ「CTAボタン周りで迷っている」という発見はできませんでした。数字だけ見ていたら、LPの構成を大きく変えるなど、見当違いの改善をしていたかもしれません。

時間はかかりますが、LP改善でお悩みの方はぜひ一度試してみてください。

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そんな方は、ぜひ一度SPIRITSにご相談ください。Clarityの導入・分析からLP改善案のご提案から実行まで一気通貫で対応しています。

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Mariko Sekido
Webマーケティング領域で、課題整理と集客設計から、施策の実行・計測・改善まで担当しています。広告・SEO・Web改善を横断し、現場の意思決定に使える形で考え方とプロセスを整理して発信します。

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