【就活支援サービス】煽り文やめて、面談予約率を0.18→1.31%に改善した事例

就活支援サービスのヒーローバナー。LINE活用で面談予約率を0.18%から1.31%へ改善した事例の見出しと、プレゼンのイラストを含む。

LINEに登録してくれた見込み客を、個別面談の予約につなげたい。配信は読まれているのに予約が入らない。そんなとき、多くの担当者は「もっと危機感を煽れば動くはずだ」と訴求を強めようとします。ただ、相手がまだ悩んでいなければ、危機感は前提から成立しません。煽るほど空振りします

この記事では、就活支援サービスのLINE登録者からの面談予約率を0.18%から1.31%に改善した事例を解説します。やったのは煽りを強めることではなく、「悩みを刺激する」のをやめ、読者がすでに頭の中に持っている「志望業界」を入口にして誘導文を組み直したことです。何を変えて、なぜ効いたのかを整理します。

配信内容を改善する流れを示す4枚のカード図解。対象外、LINE登録済みリスト、改善箇所、予約案内の順序。
こんな人に読んでほしい
  • 自社で集めた登録者(LINEやメール)に配信しているのに、面談・相談などの個別面談につながらない
  • 不安や危機感を刺激する訴求を試したが、思ったより反応が鈍い
  • 学生や若年層など、まだ課題がはっきり自覚されていない層にアプローチしている
  • セグメントやターゲットの切り方を変えると、配信の反応がどう変わるのか知りたい

今回の事例

対象は、ある就活支援サービスのLINE登録者への配信です。LINEに登録済みの就活生へメッセージを送り、個別の面談に誘導しています。今回直したのは新規の友だち集めではなく、すでに登録している就活生から面談予約を増やす「配信の中身」です。

  • サービス:就活生向けの支援サービス(個別面談へ誘導)
  • チャネル:LINE登録者(登録済みの就活生)への配信
  • 施策範囲:新規の友だち獲得ではなく、すでに登録している就活生からの個別面談予約率の改善
  • 成果:配信547件で面談1件(0.18%)だった状態を、配信686件で面談9件(1.31%)に改善

配信は読まれているのに、個別面談につながらなかった

施策前、登録者からの面談予約率は約1%(3月時点で0.18%)にとどまっていました。配信本文自体は読まれているのに、予約リンクが押されない。情報が届いていないのではなく、届いた先で行動が起きていない状態でした。

なぜ動かないのかは、配信ログを見てもわかりません。数字でわかるのは「読まれているのに押されない」という事実までで、読者が今どんな状態かまでは見えてこないからです。それを掴んでいるのは、就活生と日々直接話している営業担当でした。そこでヒアリングを行い、面談の録画や、就活生と実際に話した近況を確認すると、はっきりした傾向が見えてきます。登録している学生の多くは、まだ本格的に就活を始めておらず、就活について深刻に悩んでいませんでした。

ここから立てた仮説はひとつです。就活に関心はあっても、わざわざ個別相談を申し込むほどには悩んでいない。だから「このままだと出遅れる」と危機感を煽る誘導文は、当事者意識のない読者には前提から響かなかったのです。配信が読まれても面談に至らないのは、訴求の強さではなく、訴求が立っている前提(読者は悩んでいる)がズレていたからだと判断しました。

「悩み」ではなく「志望業界」を入口に誘導文を組み直した

打ち手は、煽りを強めることではありませんでした。刺激する対象を「不安」から「読者がすでに持っている関心」に切り替えることです。具体的には、ターゲットの絞り方と誘導文の入口を2点セットで変えました。

Before:就活生全員に「危機感」で誘導していた

変更前は、28・29卒の就活生全般に、学年セグメントだけで一律に配信していました。誘導文の設計思想は「どれだけ危機感を煽れるか」。出遅れたくない、失敗したくないという避けたい気持ちを刺激して行動させる組み立てです。悩んでいる読者には効く型ですが、当事者意識のない層には刺さりませんでした。

After:志望業界を入口に、関心から誘導した

変更後は、ターゲットを「食品業界を志望している、もしくは興味がある」就活生に絞り、誘導文の入口を志望業界に変えました。読者がすでに頭の中に持っている「食品業界への興味」を冒頭で見せ、「その業界に進むために、今この一歩をやろう」と関心から入る組み立てです。

この変更にした根拠は、課題で立てた仮説です。相手は悩んでいないが、行きたい業界や興味のある業界は持っている。そして、そこへ進むために何をすべきかはわかっていない。だとすれば、刺激すべきは「不安」ではなく「すでにある関心」だと考えました。セグメントも学年から志望業界へ切り替え、関心でセグメント配信し直しています。

Before–After infographic showing a shift from crisis-focused recruitment language (left 'Before' panel with a warning icon) to interest-driven messaging (right 'After' panel with a lightbulb) connected by a large arrow.

面談予約率は0.18%→1.31%に改善した

Comparison of interview booking rate: before 0.18% (Mar) to after 1.31% (Apr), about 7x increase; accompanying table shows deliveries 547→686 and bookings 1→9, with rates 0.18%→1.31%.

中心に見た指標は、登録者への配信から予約リンク経由で面談を申し込んだ割合(面談予約率)です。28・29卒に絞って配信し、Before(3月)とAfter(4月の検証期間4/15〜4/17)を比べました。

指標Before(3月)After(4月)
配信数547件686件
面談予約数1件9件
面談予約率0.18%1.31%

配信数はほぼ同じ水準のまま、面談予約は1件から9件へ、予約率にして約7倍に改善しました。配信先もツールも変えず、誘導文のターゲットと入口を変えただけの結果です。面談予約数の絶対値は9件と小さいものの、ほとんど反応のなかった登録者が動くチャネルに変わった意味は大きいと捉えています。

想定外だったのは、申込者の顔ぶれです。高学歴層だけでなく、学歴に幅のある学生からも申込みがありました。「食品業界」という関心のラベルは、学歴を問わず「自分に関係ある話だ」と思わせる入口として機能したと見ています。

悩みを煽るより、すでにある関心を見せたほうが動いた

効いた理由は明確です。読者は「悩んでいる」状態ではなく「なんとなく関心がある」状態でした。煽りは悩みを前提に成立しますが、関心は悩みを前提にしません。「あなたが気にしている食品業界、その一歩目はこれです」と関心起点で語ったことで、当事者意識のなかった読者が初めて自分事として受け取れるようになりました。

ブレイクスルーになったのは、施策の出発点を変えたことです。「相手は何に悩んでいるか」から考えるのをやめ、「相手は何を考えているか・何に関心があるか」から考える。悩みから設計するのではなく、すでに頭の中にあるものから設計する。この転換が、訴求の中身を根本から変えました。

捨てた選択肢もあります。「危機感をもっと強く煽る」「締切やオファーで急かす」という方向です。反応が鈍いと、つい刺激を強める方に倒しがちです。ただ、当事者意識のない層に煽りを強めても逆効果になると判断し、煽りの強度ではなく、ターゲットと入口そのものを変えました。

正直な限界もあります。今回の面談予約数は9件で、サンプルが小さく、再現性は継続検証が必要です。さらに、申込者を見ると「食品業界にどうしても行きたい」というほど志望が強いわけでもありませんでした。つまり「志望業界」は深い欲求というより、自分事化のためのフック(入口のラベル)として効いた可能性が高い。次は志望業界以外の「頭の中にあるラベル」でも同じことが起きるかを試したいところです。

このアプローチが効くケース・効きにくいケース

同じ「関心を入口にする」打ち手が効くかどうかは、読者の状態と登録者の顔ぶれで判断できます。

登録者に配信しているのに、個別面談・相談につながらない

配信は届いている(読まれている)のに、予約や申込といった行動が起きないケースです。情報量や頻度を足す前に、訴求が立っている前提が読者の状態と合っているかを疑うと、打ち手が変わります。

ターゲットがまだ課題を自覚していない層

学生や若年層のように、関心はあっても課題が顕在化していない層です。こうした読者には危機感ベースの訴求が前提から成立しにくく、すでに持っている関心を入口にしたほうが動きます。

「危機感を煽る」訴求を試したが、反応が鈍い

不安や緊急性で押す訴求を試したものの手応えが薄い場合、煽りを強める方向は頭打ちになりがちです。刺激する対象を不安から関心へ切り替える余地があります。

逆に、向かない・効きにくいケース

緊急性は低いが重要度が高い人(資格取得、健康、資産形成など)には向きません。今すぐ行動する理由を添える必要があります。すでに課題が顕在化し、緊急性の高い悩みを抱えた層には、関心起点より危機感や即時オファーのほうが効きます。また、読者が「何を考えているか」を特定できない場合は、この打ち手の起点が作れません。営業やCSへのヒアリングなどで、関心のラベルを先に掴む必要があります。

試してみてほしいステップ

自社の登録者が「配信しても動かない」なら、次の順で見直すのがおすすめです。

  • ① 配信を「読まれているか」と「行動しているか」に分けて見る。読まれているのに動かないなら、訴求の中身ではなく前提がズレている可能性が高い
  • ② 営業・CSに「相手の悩み」ではなく「相手の関心」を聞く。何に悩んでいたかではなく、何を考えていたか・何に興味があったかを集める
  • ③ 誘導文の入口を「不安・危機感」から「すでにある関心」に変える。相手が頭の中に持っているラベル(志望業界・やりたいこと等)を冒頭で見せる
  • ④ その関心でセグメントを切り直して配信し、反応を比べる。学年や属性ではなく、関心軸で分けて当て直す

まとめ

登録者から面談が取れないとき、効くのは煽りを強めることではなく、「相手がすでに考えていること」を入口に誘導文を組み直すことでした。今回はターゲットを志望業界に変え、悩みではなく関心から語り直したことで、面談予約率を0.18%から1.31%に改善しました。反応が鈍いと刺激を強めたくなりますが、まず疑うべきは訴求の前提が読者の状態と合っているかです。

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SPIRITS MEDIA編集部
マーケティングのプロフェッショナルが集まるSPIRITS MEDIA。現場で培った実践的なノウハウを発信しています。

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