
LINE公式アカウントにおいて欠かせないのが、セグメント配信の機能。
最も効率よく集客や売上の最大化に繋げるためにはセグメント配信の活用は必須と言っても良いでしょう。
そこで、セグメント配信がどういうものなのか、基礎的なところからどう自社の運用に取り入れば良いのか、わかりやすく解説していきます。
「セグメント配信のことがよくわからない」
「セグメント配信の設定ってどうやってやるの?」
とお困りの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
セグメント配信とは?
セグメント配信とは、年齢・性別・地域・興味関心などの条件でユーザーを分けて、それぞれに合わせた情報を届ける配信方法です。
これにより、全員に同じ内容を送る一斉配信と比べて、読者にとって有益な情報を届けやすくなります。
例えば「男性」「20代」「購入経験なし」などの属性に分けて、そのニーズに合わせた配信を行うことで、売上増加も期待できます。
マーケティング用語で、「共通の特性に分けられるグループ」のこと。性別や興味関心など、様々な基準でグループ分けすることができる。
セグメント配信のメリット|1回の配信の質が高まる
LINE公式アカウントにおけるセグメント配信では、大きく3つのメリットがあります。
友だちのブロックを防げる
誰にでも届いてしまう一斉配信では、「自分に関係ない情報ばっかりでつまんない」「もう見ないからブロックでいいや」とブロックされてしまうことが多々あります。
そこで、年齢や趣味思考に合わせたセグメント配信をすることによって、「この情報欲しかった!」「このイベントすごい楽しそう!」など、「その人」にあった配信でブロックを防げる可能性が大幅に高まります。
このLINE配信は興味ない、と思われないように、ターゲットにとって有益な情報を発信することができるようになります。
配信コストを抑えられる
LINE公式アカウントでは、配信できるメッセージ数がプランによってことなります。
プラン名 | 月額料金(税込) | 月間配信通数 | 追加メッセージ単価 |
---|---|---|---|
フリープラン | 無料 | 200通 | 不可 |
ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 不可 |
スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 〜3円/通(税別) |
全員に一斉配信をすることで、情報を必要としていない層にもメッセージが届き、「無駄なメッセージ料金」がかかってしまう可能性もあります。
セグメント配信を活用することによって無駄なメッセージ配信を避けることができ、LINE公式アカウントの運用効果を高めることができます。
ユーザーの反応率が高まる
LINE公式アカウントのセグメント配信では、友だち追加してくれた人の性別、年齢などの属性に分けてメッセージ配信を行うことができます。
そのため、ユーザーが「これは自分ごとだ」と感じやすい内容が届けられるようになり、メッセージ開封率やリンク先のタップ率が増えることが期待できます。
「LINE公式アカウント」セグメント配信の2つの絞り込み機能
セグメント配信を行う際には「属性」と「オーディエンス」の2つの絞り込み機能を活用します。
「属性」で絞り込む
ユーザーは自動的に5つの項目で分類されます。
この属性を組み合わせることで、ターゲットを細かく設定しながら、セグメント配信をすることが可能です。
友だち期間 | 6日 7日〜29日 30日〜89日 90日〜179日 180日〜364日 365日 |
性別 | 男性/女性 |
年齢 | 14歳以下/15~19歳/20~24歳/25~29歳/30~34歳/35~39歳/40~44歳/45~49歳/50歳以上 |
OS | Android/iOS/Windows/iPhone/BlackBerry/Nokia/Firefox |
エリア | 北海道/東北地方/関東地方/甲信・越北陸地方/東海地方/関西地方/中国地方/四国地方/九州地方/沖縄 |
「オーディエンス」で絞り込む
ユーザーの行動に合わせて、さらに具体的に条件を設定できるのが「オーディエンス」による絞り込みです。
・メッセージクリック
・メッセージインプレッション
・リッチメニュークリック
・リッチメニューインプレッション
・友だち追加経路
・チャットタグ
・予約
・ユーザーIDアップロード
・ウェブトラフィック
・その他
1.ユーザーIDのアップロード
LINE公式の友だちはそれぞれのユーザーIDを持っています。
絞り込みをしたいユーザーIDをTXT、CSV形式の形式にしてファイルにアップロードすることでオーディエンスを作成することが可能となります。
またアップロードをする際に必要なユーザーIDはMessaging APIの利用を利用する必要があり、専用のWeb管理画面からデータの取得が必要です。

2.クリックリターゲティング
クリックターゲティングでは、過去に配信したメッセージ内のリンクをクリックしたユーザーを対象としてオーディエンスを作成することができます。
配信から60日以内のメッセージリストから対象のURLのリンクを選んでオーディエンスに設定します。
配信として起用する際にはオーディエンスの対象となる友だちが50人以上必要となります。

3.インプレッションリターゲティング
過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象としてオーディエンスを作成します。
これもクリックリターゲティングと同様に配信から60日以内のメッセージリストから対象の文章を選んで設定します。
そして配信として利用する際にはオーディエンスの対象となる友だちが50人以上必要となります。

4.チャットタグオーディエンス
チャットタグとはタグを自由に作成してユーザーをグループごとに管理する事ができる機能のことを言います。
そのタグを任意でユーザーに付与するタグになります。
画像のようにチャットごとにグループ分けを行い管理をすることができ、これをオーディエンスとして活用します。

5.追加経路オーディエンス
LINE公式アカウントを追加した際の経路を分類してオーディエンスを作成することができます。
配信をする際には対象となる友だちが50人以上必要となります。

6.ウェブトラックオーディエンス
LINE Tagの設置を行い友だち追加をしてくれたユーザーのうち、どのくらいの人が自社のサイトを訪問したのか、商品やサービスの購入に繋がったのかを計測することができるオーディエンスです。
LINE Tagの使用を開始するとオーディエンスが作成可能になります。
LINE公式アカウントでセグメント配信をする際の注意点
セグメント配信を行う際は、以下のことに注意しましょう。
属性を利用する場合はターゲットリーチ数100人以上が必要
セグメント配信で「属性」を条件に設定する際には、ターゲットリーチ数が最低でも100名以上必要となります。
例えば、友だち数が200人のアカウントで「20代 × 男性 × 福岡」という条件を設定した場合、実際にその条件に該当するユーザーが100名以上いなければメッセージ配信は実行できません。
事前に友だち数と属性分布を確認し、無駄のない配信設計を行いましょう。
実際にユーザーへメッセージが届く人数。単純な「友だち追加数」とは異なり、ブロックされているユーザーや、性別・年代・地域といった属性情報が不明なユーザー、また配信の絞り込み条件に該当しないユーザーは含まれません。
属性データは推計値であることを理解する
LINE公式アカウントが提供する「属性情報」は、ユーザーの登録情報や利用状況をもとに算出された推計データです。
そのため、必ずしも正確にターゲットを絞り込めるわけではありません。
あくまで目安として活用し、マーケティング分析やセグメント戦略に組み込むことが大切です。
友だち数の反映にはタイムラグがある
属性を利用した絞り込み配信は、最大で3日前の友だち数データを基に計算されます。
そのため、直近で友だち追加が急増した場合でも、すぐにターゲットリーチ数へ反映されるわけではありません。
配信スケジュールを立てる際は、このタイムラグを考慮し、誤差を見込んで運用することが求められます。
LINE公式アカウントの絞り込み配信の設定方法
LINE公式アカウントの絞り込み配信の設定方法をご紹介します。
属性による絞り込み配信手順
①「ホームタブ」からメッセージ配信をタップ→メッセージを作成(赤枠)
③”絞り込み”ボタン(赤枠)にチェック
属性で絞り込む場合には、赤枠で囲っている箇所をタップしてどの属性にするのかを決めていきます。

属性での絞り込み配信には5つのフィルター設定が使えるので、セグメントしたい内容を決めて設定していきましょう。

オーディエンスによる配信手順
①データ管理からオーディエンスをタップ
②作成ボタンをタップ(赤枠)

作成をタップしたらオーディエンスタイプが出てくるので、設定が完了したら”次へ”をタップしましょう。

③属性のときと同様に「ホームタブ」からメッセージ配信をタップ
④メッセージを作成をタップ(赤枠)

⑤”絞り込み”のボタンにチェック
⑥先ほど決めたオーディエンスを設定

以上でセグメント配信の「属性」「オーディエンス」の設定が完了となります。
公式LINEの運用効果を高めるセグメント配信のポイント
セグメント配信のコツを3つご紹介します。
あくまで「ターゲット目線」に立った内容を考える
セグメント配信の最大のメリットは、友だち追加をしてくれたユーザーごとに最適な情報を届けられる点です。
例えば、学習塾なら「年齢」や「居住地域」で属性を絞ることで、対象に合った案内を送ることができます。
さらに有効なのが、購買意欲を基準にしたセグメントです。
家具の購入を検討中だが「まだ買うつもりはない」層に直接商品情報を送ってしまうと、売り込み感が強くなり反応率は下がります。
そのような層には「業界ニュース」や「ライフスタイルに役立つ情報」など、購入を急かさないコンテンツが効果的です。
あくまでターゲットの状態から考えることを頭に入れておきましょう。
一目で目線が釘付けになる画像の活用
セグメント配信ではテキストだけでなく、画像を組み合わせたメッセージ配信も可能です。
ユーザーの興味を引くビジュアルを用いることで、情報を強調し記憶に残りやすくなります。
LINE公式アカウントの配信は、1回で最大3つのメッセージを送信可能です。1つの吹き出しでも、3つの吹き出しでも「1回分の配信」としてカウントされるため、テキストと画像を組み合わせた効果的な配信設計ができます。
画像を作成する際は、ターゲット層の嗜好や生活スタイルを意識することが成果につながります。
配信頻度と時間帯を工夫する
配信対象を絞り込んでいても、あまりに頻繁にメッセージが届くとユーザーは煩わしく感じてしまいます。
週1回程度を目安に、情報の鮮度や価値を意識した配信が望ましいでしょう。
また、メッセージが読まれるのは、ユーザーに時間的余裕があるタイミングです。
学生なら放課後や夜の時間帯、社会人なら昼休みや帰宅後など、ターゲットの生活リズムに合わせて送信すると開封率が高まりやすくなります。
配信頻度と時間を工夫することで、セグメント配信の効果をさらに引き出すことが可能です。
「LINE公式アカウント」セグメント配信の活用事例
セグメント配信を活用して成功した事例をご紹介します。
配信する対象ごとにメッセージの内容を分けて反応率を6倍にした「銀のさら」の事例
「銀のさら」など宅配事業を中心にサービスを展開するランドオンエクスプレス社では、
手軽にスマートフォンで注文ができるようにLINE公式アカウントを開設して280万人の友だちを獲得しています。
また一斉配信と比較して、セグメント配信を活用した結果メッセージの反応率を約6倍高い結果を平均で出しています。
2,300万人のLINE公式アカウントの友だちからセグメント配信を行い、ECの売り上げを5倍に伸ばしたロクシタンの事例
コスメティックブランドを展開するロクシタンジャポン株式会社では、顧客との接点をもち、新規を拡大していくためCRMマーケティングを導入しています。
LINE公式アカウント開設以降には、「Messaging API」を活用し、セグメント配信を行うことで顧客とのリーチを構築して売り上げを拡大しています。
売り上げの約3割をLINE公式アカウントから!購入履歴を元にしてセグメント配信を行ったSABONの事例
コスメブランドのSABONでは天然由来素材を使った商品が20〜30代の女性を中心に売り上げを伸ばすことに成功しています。
LINE公式アカウントでは、会員情報とLINEアカウントの連携を行った仮会員のユーザーに過去の購入履歴を元にしたメッセージ配信をすることによってECサイト全体の売り上げの中でLINEを経由して購入に繋がった数字が30%も占めています。

まとめ
LINE公式アカウントにおいて、セグメント配信を導入するメリットやその設定方法などを解説しました。
「その人」に合った配信ができるツールを導入することによって、より多く、かつ質の高い反応が期待できるメッセージ配信が可能となります。
LINE運用の費用対効果を最大限に活かしたい方は、ぜひ今回の記事の内容を参考にしてみてください。
ただ、やり方がわかったところで、実際の運用設計に不安がある方も多いです。
株式会社SPIRITSでは、LINEの導入支援から、配信設計、運用代行、分析改善までを一貫してサポートしています。
「部分的なアドバイスがほしい」「全部任せたい」といったご要望にも柔軟に対応可能です。
集客や売上アップでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
