LPファーストビューの作り方|サイズ・要素・キャッチコピーの選び方と業種別の型

LPファーストビューを構成する5つの要素を紹介する、青い背景の広告画像。右側にスマホ画面が表示されている。

LP(ランディングページ)の成果は、ファーストビューで7割が決まると言われます。実際に、ユーザーは最初の数秒で「読み進めるか/離脱するか」を判断するため、ここを外すと本文がどれだけ良くてもCVは伸びません。

ただし、ファーストビューだけを整えてもCVは大きく動かないのも事実です。流入元の広告クリエイティブとの整合、本文との一貫性、フォームの作り、CV後の受け皿まで含めた「一連の流れ」で設計してはじめて効果が出ます

本記事では、LPファーストビューを構成する5つの要素、PC・スマホの推奨サイズ、業種別のキャッチコピーとビジュアルの型、改善の優先順位、効果を測る3つの指標までを体系的に整理します。SPIRITSがLPO支援の現場で見てきた「単体改善で止まらない設計の視点」もあわせてお伝えします。

目次

LPファーストビューとは?役割と離脱率に与える影響

LPファーストビュー(FV)とは、ページにアクセスしたユーザーがスクロールせずに最初に目にする領域のことです。「アバブ・ザ・フォールド(Above the fold)」と呼ばれることもあります。ユーザーがそのLPを読み続けるか、すぐに閉じるかを決める最初の判断ポイントです。

ファーストビューの定義

ファーストビューは、PC・スマホ・タブレットそれぞれの画面で、ページ読み込み直後にスクロールせず見える範囲を指します。デバイスのウィンドウサイズによって表示範囲が変わるため、PC基準だけでなくスマホ基準でも設計する必要があります。「FVデザイン」「FV設計」といった略語で呼ばれる場面もあります。

「アバブ・ザ・フォールド」は新聞用語が由来です。新聞を折りたたんだときに上半分(fold より上)に来る情報が一番目立つ、という考え方をWebに当てはめたものとされています。

なぜファーストビューがLPの成果を左右するのか

ユーザーは、ページにアクセスしてから数秒で「自分に関係があるか/読み続ける価値があるか」を判断すると言われています。媒体によって「3秒」「5秒」と表記は異なりますが、共通しているのは「短い時間で離脱判断が起きる」という点です。

ファーストビューの離脱率は約7割という記述も複数の解説記事で見られます。出典が明確にされていないため正確な数字は断定できませんが、「半数以上のユーザーがFVで離脱する可能性がある」と考えて設計するのが安全です。

直帰率・スクロール深度・FV内CTAクリック率の3指標を組み合わせて見ると、自社LPで「どこで離脱しているか」をより正確に把握できます。詳細は本記事の後半で整理します。

ファーストビューだけ整えても伸びない理由

LP改善で陥りがちなのが、「ファーストビューだけを何度も作り変える」というアプローチです。確かにFVはCVRに大きく影響しますが、単体で動かせる範囲には上限があります。

実際の現場では、次のような場面でFVを変えてもCVが伸びないことがよくあります。

  • 流入元の広告クリエイティブとFVの訴求がズレている
  • FV以降の本文がFVの訴求と整合していない
  • フォームが長すぎてボタンを押した後に離脱している
  • CV後の受け皿(メール・LINE・資料送付)が設計されていない

ファーストビューは、「広告→FV→本文→フォーム→CV後」という一連の流れの中の1パートです。本記事ではFVの作り方を中心に整理しつつ、最後に「FVを変えても伸びないとき」の周辺要因にも触れます。

LP流入→ファーストビュー→本文コンテンツ→フォーム→CV後の流れを示す5段階の説明図。各ステップは色付きボックスで区分され、矢印でつながる。

LPファーストビューを構成する5つの要素

LPファーストビューは、メインキャッチコピー・サブキャッチコピー・メインビジュアル・CTAボタン・信頼要素の5つで構成されます。商材や業種が変わってもこの5要素は共通です。配置と中身の作り方が変わるだけです。

メインキャッチコピー

ファーストビューで一番目立たせるべき、最大文字サイズのコピーです。「誰の・何の悩みを・どう解決するか」を一文で伝えられているかが評価軸になります。

良いキャッチコピーは、読者が「これは自分のことを言っている」と一瞬で認識できる粒度です。逆に避けたいのは、自社主語のコピー(「私たちは〇〇のプロです」)や、抽象的すぎる表現(「あなたの未来を変える」)です。

商材タイプによってキャッチコピーの「型」は変わります。後半の「業種別ファーストビューの型」で詳しく整理します。

サブキャッチコピー

メインキャッチを補強する一段下のコピーです。数値・対象・期間・条件など、具体性を持たせる役割を持ちます。

たとえばメインキャッチが「初めての美容医療を、相談から一緒に決められる」なら、サブキャッチは「カウンセリング無料・年間〇万件の実績」のように補強します。メインとサブで同じことを2回言わないように注意します。

メインビジュアル

ファーストビューの面積を最も占める画像エリアです。商材タイプによって最適なビジュアルが変わります。

  • toC高単価商材(クリニック・不動産・ブライダル):人物・利用シーン・施設写真
  • SaaS・サブスク:UI画面のスクリーンショット・操作シーン
  • EC:商品単体写真・利用シーン写真
  • BtoB:管理画面・グラフ・ビジネスシーンの人物

イメージ写真(笑顔の女性が空を見ているような汎用素材)だけだと、商材が何か伝わりにくくなります。「この画像から商品・サービスがイメージできるか」をチェックします。

CTAボタン

ユーザーに次の行動を促すボタンです。「資料請求」「無料で試す」「予約する」など、CV(コンバージョン)に直結するアクションを配置します。

ファーストビューに置くCTAは1種類のみが基本です。違うCV(資料請求と購入など)を並べると、ユーザーが迷って離脱します。同じCVへの複数導線(電話とフォーム)は許容されますが、メインは1つに絞ります。

CTAボタンの色・サイズ・文言・直下のマイクロコピーは、CV率に大きく影響します。CTAボタン単体の改善ノウハウは別記事「CVボタンを変えてもCVRが伸びない原因」で整理しているので、あわせて参照してください。

信頼要素

ユーザーが「この会社・サービスは信頼できるか」を判断する材料です。FVに必ず入れたい要素の一つです。

  • 実績数値(導入企業数・累計利用者数・施工件数)
  • 第三者評価(受賞歴・認定・メディア掲載)
  • 顧客企業のロゴ・お客様の声の引用
  • 専門資格・運営年数

信頼要素は、商材の購入意思決定でユーザーが感じる不安を打ち消す役割を担います。toC高単価商材では特に重要度が高くなります。

ナビゲーションは必要最小限に

LPはコーポレートサイトと違い、ナビゲーション(メニュー)を最小化するのが原則です。ファーストビューにナビゲーションを置く場合も、ロゴ+電話番号+CTAボタンへのアンカーリンク程度にとどめます。

ナビゲーションが充実していると、ユーザーがLPの主旨から外れたページに飛んでしまい、CVから遠ざかります。「ユーザーが他のページに行く選択肢を増やさない」のがLPの設計思想です。

PCとスマホのレイアウト比較図。1:メインキャッチコピー、2:サブキャッチコピー、3:画像エリア、4:オレンジのCTAボタン、5:信頼要素のアイコン。

PC・スマホのファーストビュー推奨サイズと高さ

PC・スマホ・タブレットそれぞれに、ファーストビューの推奨サイズがあります。2026年時点の業界一般値として、PCはコンテンツ幅1200px・高さ550〜750px、スマホは幅375px基準・高さ600〜750pxが目安とされています。

ただし、デバイスの解像度シェアは年々変化するため、最新のシェアを確認しながら調整するのが原則です。

PCの推奨サイズ

PCのファーストビューは、コンテンツ幅を1200px前後で設計するのが一般的です。背景画像やフルワイドの装飾を含めると、アートボードサイズは1920px幅で作成します。

高さは550〜750pxの範囲で設定するケースが多くなっています。低めに抑えると「次のセクションを見たくなる」効果が出やすく、高めにすると「ファーストビュー内に情報を詰め込める」メリットがあります。

近年はノートPCの解像度がフルHD(1920×1080)に偏ってきており、コンテンツが画面に収まるかは1366×768や1440×900などの旧型端末も含めてチェックすると安全です。

スマホの推奨サイズ

スマホのファーストビューは、横幅375px(iPhone基準)を中心に、360〜428pxの範囲に収まるよう設計します。Androidも含めると360px基準が下限の目安です。

高さは600〜750pxを目安にします。iPhone(375×667px)を基準にすると、ブラウザのアドレスバー・ナビゲーションを除いた表示領域は概ね500〜600pxになるため、「画面に必ず入る情報量」と「次のセクションを見せる隙間」を両立させる設計を意識します。

近年は流入の半数以上がスマホからというLPも珍しくありません。「モバイルファースト」で設計し、PC版はあとから展開する流れが主流です。

「次のセクションを少し見せる」高さ設計

ファーストビューの高さを画面ぴったりにすると、「これで完結している」とユーザーが誤認しやすくなります。

そこで、ファーストビューの下端に「次のセクションの見出しや画像の上部」が少しだけ見える設計にすると、自然なスクロール誘発になります。スマホでもPCでも有効なテクニックです。

逆に、ファーストビューを画面より大きくして「全部見るには下スクロールしないと見えない」状態にすると、初見の情報量が増えすぎて離脱を招きます。

文字サイズと余白の目安

スマホでの文字サイズは、本文14px以上・キャッチコピー20px以上が読みやすさの最低ラインです。タップ領域はCTAボタンで44px前後以上を目安にします。AppleのUI Design Tipsでも、タッチ操作の対象は少なくとも44pt×44ptにすることが推奨されています。

PCの文字サイズは、本文16px〜・キャッチコピー36px〜が一つの目安です。デバイスの解像度が高くなっているため、以前より大きめのフォントが読みやすいとされています。

余白(ホワイトスペース)も重要です。要素を詰め込むと「情報過多」の印象になり、結局どこを見ればいいか分からない状態になります。「1要素ずつ間に余白を入れる」を意識します。

表示速度(LCP)の目安

ファーストビューの表示速度は、Googleが定めるCore Web VitalsのLCP(Largest Contentful Paint)で2.5秒以内が推奨されています。LCPはページ内で最も大きい要素(多くの場合はメインビジュアル)が表示完了するまでの時間です。

LCPが遅いと、ユーザーは「読み込みが遅い」と感じて離脱します。メインビジュアルのファイルサイズ最適化(WebP変換・圧縮・遅延読み込み)は、デザイン以前の前提条件です。

レスポンシブ対応とブレイクポイント

PC・タブレット・スマホで別々のLPを作るのではなく、レスポンシブデザインで1つのLPがデバイスに応じて自動調整される設計が標準です。

ブレイクポイント(レイアウトが切り替わる画面幅)は、767px以下/768〜1023px/1024〜1439px/1440〜1919px/2000px以上の5区分程度で十分とされています。細かく区切りすぎると保守が大変になります。

FV推奨サイズの比較表:PC/タブレット/スマホのコンテンツ幅などを示す表。各デバイスの推奨値が columns に並ぶ。

ファーストビューのデザインで押さえるポイント

ファーストビューのデザインは、見た目の美しさより「読者が一目で理解できるか」を優先します。デザインで差別化するのではなく、コピーとビジュアルの整合で「自分ごと化」を促すのが本質です。

キャッチコピーは「誰の・何の悩みを・どう解決するか」を一文で

キャッチコピーは、ユーザーが「これは自分のことを言っている」と一瞬で認識できる粒度が理想です。「誰の」「何の悩みを」「どう解決するか」が一文に入っているかをチェックします。

たとえば「美容医療の総合プラットフォーム」より、「初めての美容医療を、相談から一緒に決められる」のほうが、対象(初めての人)と提供価値(相談から一緒に決める)が明確です。

避けたい型は次の通りです。

  • 自社主語型:「私たちは〇〇のプロです」
  • 抽象表現型:「あなたの未来を変える」
  • 商品名連呼型:「〇〇〇〇ならお任せください」

業種別のキャッチコピーの型は、後半の「業種別ファーストビューの型」で整理します。

メインビジュアルは商材タイプで選ぶ

メインビジュアルの選び方は、商材タイプによって変わります。

  • toC高単価商材(クリニック・不動産・ブライダル):人物・利用シーン・施設写真。安心感と実体感が必要
  • SaaS・サブスク:UI画面のスクリーンショット。「実際にこういう画面で使える」を伝える
  • EC:商品単体写真+利用シーン写真。質感が伝わる撮影が必要
  • BtoB:管理画面・グラフ・ビジネスシーンの人物。実用性と効果を示す

汎用イメージ写真(青空・笑顔の女性・コーヒーカップなど)だけで商材が伝わらないのが一番危険です。「この画像から商品・サービスがイメージできるか」を必ず確認します。

CTAボタンは「周囲とコントラスト」で目立たせる

CTAボタンの色は、「目立つ色」より「周囲とコントラスト」が本質です。周囲が青系のLPなら、CTAは橙や黄でコントラストを取ります。

ボタンの形は角丸長方形が基本です。スマホでタップしやすい高さ(最低44px)を確保し、ボタン文言は「行為名のみ」(送信・購入)にせず、「無料で資料を受け取る」「30秒で完了する」など結果・負担の少なさを含めます。

CTAボタン単体の改善ノウハウは別記事「CVボタンを変えてもCVRが伸びない原因」で詳述しています。

信頼要素は「数字・第三者・実績」で

信頼要素は、抽象的な「安心の品質」「業界トップクラス」より、具体的な数値や第三者評価のほうが効きます。

  • 数値:累計〇万人・〇社導入・施工〇件
  • 第三者:受賞歴・認定・メディア掲載
  • 顧客の声:実名・顔写真・具体的なコメント(許諾範囲内で)
  • 専門資格・運営年数

「自社で名乗っている品質」より、「外部から評価されている事実」のほうが信頼度が上がります。

色はブランドカラー基準で、CTAだけアクセント

ファーストビュー全体の色は、ブランドカラーを基準に設計します。背景・テキスト・装飾はブランドカラーの濃淡で統一し、CTAボタンだけアクセント色(補色や明度の高い色)で目立たせます。

ファーストビュー全体を派手な色で埋め尽くすと、結局どこを見ればいいか分からなくなります。「色は3色以内(ブランドカラー・アクセント・ベース白系)」を一つの目安にします。

ファーストビューで失敗しやすい7つのパターン

ファーストビュー改善で押さえるべきポイントを反転させると、よくある失敗パターンになります。設計後にこのチェックを当てると、致命的なミスを防げます。

1. 広告クリエイティブとファーストビューの訴求がズレている

リスティング広告・SNS広告でクリックを集めても、LPファーストビューで違うことを言っていると即座に離脱されます。

たとえば広告で「無料カウンセリング受付中」と訴求しているのに、LPのFVが「最新の治療技術を紹介」になっていると、ユーザーは「自分が求めていた情報と違う」と感じて閉じます。

広告クリエイティブとLPファーストビューの「メッセージマッチ」は、CVR改善で最初に確認すべき項目です。広告とLPの担当が分かれていると起きやすい失敗です。

2. キャッチコピーが「自社主語」になっている

「私たちは〇〇のプロフェッショナル集団です」「業界トップクラスの〇〇技術」のような自社主語のキャッチコピーは、ユーザーにとっては関係のない話です。

ユーザーは「自分がどうなれるか」を知りたいので、コピーの主語をユーザー側に変えます。「初めての方でも、相談から一緒に決められる」「未経験から〇〇できるようになる」など、ユーザーが主語の文に変換します。

3. メインビジュアルがイメージ写真で内容が伝わらない

ストックフォトの汎用イメージ写真(青空・コーヒー・PC作業中の女性)だけだと、商材が何か全く伝わりません。

メインビジュアルは、商材・利用シーン・実物が見える写真が原則です。「この画像を見ただけで、何のサービスか想像できるか」をチェックします。

4. CTAが複数あって何を押せばいいか分からない

ファーストビューに「資料請求」「お問い合わせ」「無料相談」「資料ダウンロード」と複数CTAを並べると、ユーザーが迷って結局押されません。

ファーストビューのCTAは1種類が基本です。違うCV(資料請求と購入)を並べず、メインCVに1つに絞ります。

5. ファーストビュー内に情報を詰め込みすぎ

「全部入れたい」気持ちでファーストビューに情報を詰め込むと、結局どこを見ればいいか分からない状態になります。

ファーストビューに入れるのは「メインキャッチ+サブキャッチ+メインビジュアル+CTA+信頼要素」の5要素までが目安です。細かい機能説明や事例詳細は、本文に回します。

6. 信頼要素がない/弱い

メインキャッチがどれだけ魅力的でも、「この会社・サービスは信頼できるか」が伝わらないとCVに繋がりません。

実績数値・第三者評価・顧客ロゴなど、何らかの信頼要素を必ず1つは入れます。商材によっては「これが一番大きい要素」になることもあります。

実際にSPIRITSの改善事例でも、担当者の写真・利用者の声・成果物の実例を加えて信頼要素を補強したことが、CVR改善の決め手の一つになりました。詳細は「「読まれてもコンバージョンしない」をClarityのレコーディングで改善した事例」で紹介しています。

7. スマホで文字が小さい・タップしづらい

PCで設計したファーストビューをそのままスマホで表示すると、文字が小さすぎて読めない・CTAボタンが小さすぎてタップしづらい状態になりやすくなります。

スマホでの本文文字サイズ14px以上・キャッチコピー20px以上・タップ領域44px以上を最低ラインとして、実機で確認します。

業種別ファーストビューの型と参考例

ファーストビューの最適解は、商材タイプによって大きく変わります。toC高単価/SaaS・サブスク/EC/BtoBの4タイプに分けて、それぞれの「型」を整理します。

toC高単価(クリニック・不動産・ブライダル):不安解消+実績

美容クリニック・不動産・ブライダル・スクール・サロンなど、toCの高単価商材は「不安解消+実績」の組み合わせが効きやすいタイプです。

ユーザーは購入前の不安が大きく、「初めてでも大丈夫か」「強引な営業はないか」「信頼できる会社か」を確認したくなります。キャッチコピーは「初めての〇〇、相談から一緒に決められる」「無理な勧誘はありません」などの不安解消型を中心に、サブキャッチで実績数値(年間〇万件・導入〇社)を補強します。

メインビジュアルは、利用シーン・施設・スタッフの写真。CTAは「無料カウンセリング予約」「資料請求」など、購入手前のステップを置きます。信頼要素は「年間〇万件の実績」「メディア掲載」「専門医監修」などです。

SaaS・サブスク:心理的ハードル低減+画面UI

SaaS・サブスクサービスは「心理的ハードル低減+画面UI」が定番の型です。

ユーザーは「使いこなせるか」「契約縛りはないか」「無料で試せるか」を気にしています。キャッチコピーは「まずは無料で試してから決められる」「クレカ登録不要」「いつでも解約OK」のような心理的ハードル低減型。サブキャッチで「導入〇社」「累計〇万ユーザー」などの実績を補強します。

メインビジュアルは、UI画面のスクリーンショット。実際の操作感をイメージできることが重要です。CTAは「無料で試す」「14日間トライアル」など、コミットメントの低い表現にします。

EC:商品+今買う理由

ECは「商品の魅力+今買う理由」をファーストビューで提示する型が多くなります。

キャッチコピーは「累計〇万人が選ぶ・送料無料」「期間限定〇〇円OFF」「在庫残りわずか」など、商品の人気と購入のきっかけを組み合わせます。サブキャッチで素材・産地・受賞歴などの差別化要素を補強します。

メインビジュアルは商品単体写真+利用シーン写真。商品の質感が伝わる撮影が必要です。CTAは「今すぐ購入」「カートに入れる」のように、購入アクションに直結する文言です。信頼要素は「お客様の声」「メディア掲載」「楽天ランキング1位」などです。

BtoB:課題提示+数値実績

BtoBサービス(業務システム・コンサル・人材サービス)は「課題提示+数値実績」の型が中心です。

ユーザーは決裁者を説得する材料を探しているため、「〇〇の業務、もっと短くできる」「人手不足を〇〇で解決」のように、解決すべき課題を明示します。サブキャッチで「〇〇社が導入」「〇〇%効率化」などの数値実績を補強します。

メインビジュアルは、管理画面のスクリーンショット・効果を示すグラフ・利用企業のロゴ。CTAは「資料請求」「無料診断」など、決裁前の情報収集ステップを置きます。信頼要素は「導入企業ロゴ」「事例数値」「業界別の実績」などです。

業種別キャッチコピー言い換え例

各業種でキャッチコピー・サブキャッチ・CTA文言の方向性を整理した表が以下です。自社で書き換える前提のテンプレとして参考にしてください。

業種訴求軸キャッチコピー例サブキャッチ例CTA文言例
美容クリニック不安解消+実績初めての美容医療、相談から一緒に決められるカウンセリング無料・年間〇万件の実績無料カウンセリング予約
不動産物件価値+立地駅徒歩5分・新築・3LDK〇〇エリアで〇〇円台から物件資料を受け取る
ブライダル体験訴求+限定性1組ずつ・ゆっくり選べる結婚式フェア参加で〇〇プレゼント来館予約する
サブスク・SaaS心理的ハードル低減まずは無料で試してから決められるクレカ登録不要・いつでも解約OK無料で試す
EC商品+今買う理由累計〇万人が選ぶ・送料無料期間限定・在庫残りわずか今すぐ購入する
BtoB課題提示+実績〇〇の業務、もっと短くできる〇〇社が導入・〇〇%効率化資料を請求する

数値(〇〇)の部分は、自社で実際に開示できる数字に書き換えてください。検証していない数値は使わないことが原則です。

四つのカラフルなパネルで、業種別ファーストビューの型を説明する図:toC高単価、SaaS・サブスク、EC、BtoBの特徴を並べて示す。

ファーストビューを改善するABテストの進め方

ファーストビュー改善は、勘や経験だけで進めると効果が出にくくなります。ABテストで仮説と検証を繰り返すのが基本のアプローチです。

ABテストで触る要素の優先順位

ファーストビュー改善でABテストを行うときは、効果が出やすい順に触っていきます。

  1. キャッチコピー:訴求の核。変えるだけでCVRが大きく動くことがある
  2. オファー:CTA文言と直下のマイクロコピー
  3. メインビジュアル:商材タイプと整合しているか
  4. CTAデザイン:色・形・サイズ
  5. 装飾・配色:背景・アクセント色

最初に触るのはキャッチコピーが定石です。色やデザインから着手すると、効果が出にくく時間を消費しがちです。

一度に変えるのは1要素ずつ

ABテストの大原則は「1度に1要素ずつ変える」です。キャッチコピーと色を同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。

「変えたい箇所が複数ある」場合も、優先順位の高い1つから順番にテストします。時間はかかりますが、再現可能な学びを積み上げるためには必要なプロセスです。

必要なサンプル数と期間の目安

ABテストで意味のある判定をするには、各パターンで100CV程度のサンプルが目安とされています。流入が少ない場合は「期間で揃える(2週間×2)」など、計測期間で公平性を担保します。

サンプルが足りないまま「効果なし」と判定してしまう失敗が多いので、判定前に必ずサンプル数を確認します。

ABテストツールがなくても始められる方法

専用のABテストツールがなくても、ファーストビューのABテストは始められます。

  • URL分割:ABの異なるURLを用意し、広告クリエイティブを分けて配信
  • 期間前後比較:1ヶ月Aパターン→翌月Bパターンに切り替え、流入条件をなるべく揃えて比較
  • GTMでURL振り分けやイベント条件分岐を設定し、簡易的なAB配信を実装

専用ツールを使うと精度と効率が上がりますが、まず手元で回せる方法から始めても問題ありません。

詳細はABテストの記事へ

ABテストの設計・サンプル数の決め方・判定の進め方は、別記事「ABテストのやり方」と「ABテストツールおすすめ16選」で詳しく整理しています。本格的にABテストを回すなら、あわせて参照してください。

ファーストビューの効果を測る3つの指標

ファーストビューの効果は、複数の指標を組み合わせて見ます。1つの指標だけで「効いた/効かなかった」を判断すると、誤った打ち手につながりやすくなります

直帰率(一番粗い指標)

直帰率は、LPに訪れたユーザーが十分にエンゲージせず離脱した割合を見る指標です。GA4では「エンゲージメントのなかったセッションの割合」として計測できます。

直帰率が高い(70%超など)場合は、ファーストビュー段階で離脱している可能性があります。ただし、直帰率は「LP全体で離脱しているか」を示す粗い指標なので、これだけでは「FVが悪い/本文が悪い/フォームが悪い」を切り分けできません。

スクロール深度(FV読了の判定)

スクロール深度は、ユーザーがページのどこまでスクロールしたかを示す指標です。GA4のEnhanced measurementのscrollイベント(90%の垂直スクロール深度到達時)でも記録できますが、細かい深度の把握にはヒートマップツール(Microsoft Clarity・Mouseflow・Ptengine等)のほうが向いています。

スクロール深度が30%未満で離脱する人が多いなら、ファーストビューで離脱している可能性が高くなります。30〜60%で離脱する人が多いなら、本文中で離脱しています。

「スクロール深度」と「直帰率」を組み合わせると、離脱箇所がより正確に分かります。

ファーストビュー内CTAクリック率

ファーストビュー内に設置したCTAボタンのクリック率です。FVを最後まで読んだ後、CTAまで到達したかを示します。

CTAクリック率が極端に低い(1%未満など)場合は、CTAの文言・配置・色に問題がある可能性があります。スクロール深度が深いのにCTAクリック率が低い、というパターンも要注意です。

3指標の使い分け

3指標を組み合わせると、「どこで何が起きているか」を切り分けられます。

  • 直帰率:高い/スクロール深度:浅い → FVで離脱。FV改善が優先
  • 直帰率:高い/スクロール深度:深い/CTAクリック率:低い → FV読了後にCTAで離脱
  • 直帰率:低い/CTAクリック率:高い/最終CV率:低い → フォーム以降で離脱(フォーム改善が必要)

「直帰率が高いからFVが悪い」と決めつけず、3指標で切り分けてから打ち手を決めます。

ファーストビュー効果の見方を示す日本語のフロー図。3指標と離脱箇所の分け方を解説。図。

計測に使うツール例

3指標を計測するための代表的なツールは以下です。

  • GA4(Google Analytics 4):直帰率(エンゲージメント率の逆指標)・Enhanced measurementのscrollイベント(90%の垂直スクロール深度到達時)・CTAクリックイベント(カスタム設定)を計測。無料
  • Microsoft Clarity:ヒートマップ・セッションレコーディングなどを備えた行動分析ツール。Microsoft公式ヘルプでは「free service forever」と説明されています
  • Ptengine:ヒートマップやA/Bテストを含むWeb改善プラットフォーム
  • Mouseflow:デンマークに本拠を置く、ヒートマップ・セッションリプレイなどの行動分析ツール

ツール選定の詳細は別記事「LPOツールおすすめ19選」で整理しています。

ファーストビューを変えてもCVが伸びないときに見るべき5つのこと

ファーストビューを改善してもCVが伸びない場面では、FV以外の要因を疑います。FV単体で動かせるCVRには上限があるため、手前と後ろを含めて見直すと突破口が見つかります。

実際にSPIRITSでも、Instagram広告から流入するLPで「1分以上読まれているのにCTAボタンが押されない」状態をMicrosoft Clarityのセッションレコーディングから見直し、CVRを1.78%から3.01%(約1.69倍)まで改善した事例があります。行動データから「読まれているのにCVしない」を解いた具体例として「「読まれてもコンバージョンしない」をClarityのレコーディングで改善した事例」で紹介しています。

1. 流入元の広告クリエイティブとの整合

リスティング広告・SNS広告から流入している場合、広告クリエイティブとLPファーストビューの訴求が一致しているかを確認します。

広告で「無料カウンセリング受付中」と訴求しているのに、LPのFVが「最新の治療技術を紹介」になっていると、ユーザーは「自分が求めていた情報と違う」と感じて即離脱します。広告とLPの担当者が分かれていると起きやすい失敗です。

2. FV以降の本文との一貫性

ファーストビューで「初めての方でも安心」と訴求しているのに、本文がいきなり高度な技術解説に入ると、読者は置いていかれます。

FVのキャッチコピーで提示した約束を、本文の各セクションが順番に展開しているかをチェックします。FVと本文がチグハグだと、ユーザーは途中で離脱します。

3. フォームの長さ・項目数

ファーストビューのCTAボタンがクリックされても、フォーム画面で項目が多すぎると離脱します。「ボタンクリック率は高いのに最終CV率が低い」場合は、フォームに原因がある可能性が高くなります。

フォーム項目を最小限に絞る(入力支援・自動入力・ステップ化)の改善はEFO(Entry Form Optimization)と呼ばれます。詳細は別記事「EFOツールおすすめ15選」で整理しています。

4. CV後の受け皿(メール・LINE・資料)

資料請求・問い合わせの後、メール送信のみで終わっていませんか。CV後の受け皿が弱いと、せっかく取れたリードが商談に進まず、結果として「CVは取れているのに売上にならない」状態になります。

メール開封率・LINEの登録率・資料のダウンロード率まで含めて、CV後のシナリオを設計します。LINE活用なら「LINEマーケティング完全ガイド」、メール・LINEのナーチャリング事例なら「広告費ゼロ、イベント案内の出し方を変えただけで申込を11倍にした事例」も参考にしてください。

5. そもそものターゲット設定

広告で集めているユーザーが、そもそも商材のターゲットとズレている場合があります。ターゲット外のユーザーが流入していると、FVをどう変えても響きません。

ターゲットの再定義は時間がかかりますが、CV改善で行き詰まったときには立ち戻る価値があります。広告のターゲティング設定・キーワード設定・配信面まで含めて見直します。

「LPやサイト全体の改善を相談したい」「ファーストビュー以外の改善も含めて見てほしい」という場合は、SPIRITSのLPO支援にお気軽にご相談ください。LP制作で終わらず、広告・FV・本文・フォーム・CV後までを一連で設計する立場で支援しています。

LPファーストビュー改善のチェックリスト

ファーストビュー改善で押さえるべき項目を、Yes/Noで判定できるチェックリストにまとめました。LPを公開する前、ABテストを始める前に当てるとミスを防げます。

#チェック項目Yes/No
1キャッチコピーが「誰の・何の悩みを・どう解決するか」を一文で伝えている
2サブコピーがキャッチを補強している(同じ意味の繰り返しになっていない)
3メインビジュアルが商材タイプ(写真/イラスト/UI/人物)に合っている
4CTAボタンが1種類だけ置かれている
5CTA直下にマイクロコピー(30秒で完了等)が添えられている
6信頼要素(実績・受賞・第三者)が入っている
7スマホで文字サイズが14px以上、タップ領域が44px以上
8流入元の広告クリエイティブと訴求が一致している
9FV以降の本文がFVの訴求に沿った構成になっている
10直帰率・スクロール深度・FV内CTAクリック率を計測している
11直近3ヶ月以内に1要素以上のABテストを実施している
12CV後の受け皿(メール/LINE/資料送付)の設計がある

Noが3つ以上ある項目があれば、改善優先順位の上位として着手します。チェックリストを定期的に当てることで、LP運用が場当たり対応にならず体系的に進められます。

よくある質問

LPのファーストビューとは何ですか?
ページにアクセスしてスクロールせずに最初に画面に表示される領域です。アバブ・ザ・フォールドとも呼ばれます。ユーザーが「読み進めるか/離脱するか」を判断する最初の数秒の領域で、LPの成果に大きく影響します。
ファーストビューは何秒で判断されますか?
「3秒」「5秒」など媒体によって表記は異なりますが、共通して「短い時間で離脱判断が起きる」と言われています。具体的な秒数より、「最初の数秒で判断される」と考えて設計するのが安全です。
ファーストビューの離脱率はどれくらいですか?
複数の解説記事で「約7割」とされていますが、出典は媒体によって異なります。業種・流入経路・LPによって大きく変わるため、自社のスクロール深度・直帰率で実数を見るのが原則です。
PC・スマホの推奨サイズはどれくらいですか?
2026年時点の業界一般値として、PCはコンテンツ幅1200px・背景含め1920px・高さ550〜750px、スマホは幅375px基準(360〜428pxの範囲)・高さ600〜750pxが目安です。レスポンシブ対応が前提で、デバイスシェアの変化で目安は変わります。
ファーストビューに必要な要素は何ですか?
メインキャッチコピー・サブキャッチコピー・メインビジュアル・CTAボタン・信頼要素の5要素が基本です。必要に応じてナビゲーションを必要最小限で追加します。
キャッチコピーはどう作ればいいですか?
「誰の・何の悩みを・どう解決するか」を一文で伝えるのが基本です。自社主語のコピー(「私たちは〇〇のプロです」)や抽象表現(「あなたの未来を変える」)は避けます。商材タイプ(toC高単価/SaaS/EC/BtoB)によって有効な型が変わるので、業種別の型を参考に書きます。
メインビジュアルは写真とイラストどちらがいいですか?
商材によります。toC高単価は人物・利用シーン写真、SaaSはUI画面のスクリーンショット、ECは商品単体写真、BtoBは管理画面・グラフが効きやすいタイプです。「この画像から商品・サービスがイメージできるか」を判断軸にします。
CTAボタンはファーストビューに何個置くべきですか?
1種類が基本です。違うCV(資料請求と購入など)を並べると、ユーザーが迷って離脱します。同じCVへの複数導線(電話とフォームへのリンク)は許容されますが、メインボタンは1つに絞ります。詳細はCVボタン記事(/media/cv-button/)で整理しています。
ファーストビュー改善はどこから手をつけるべきですか?
ABテストで触る場合は、キャッチコピー→オファー(CTA文言+直下のマイクロコピー)→メインビジュアル→CTAデザイン→色・装飾の順が効果が出やすい順番です。色から触ると効果が出にくいので、コピーから着手します。
ファーストビューを変えたのにCVが伸びないのはなぜですか?
5つの可能性があります。流入元の広告クリエイティブとの訴求ズレ・FV以降の本文との一貫性のなさ・フォームの長さ・CV後の受け皿の欠如・そもそものターゲットのズレ、です。FV単体ではなく、手前と後ろを含めて見直します。
ファーストビューの高さはどう決めればいいですか?
PCは550〜750px、スマホは600〜750pxを目安にしつつ、「次のセクションを少し見せる」高さに設定するとスクロール誘発に効きやすいとされています。FVを画面ぴったりにすると「これで完結」と誤認されやすくなります。
スマホとPCで別のファーストビューを作るべきですか?
レスポンシブデザインで1つのLPがデバイスに応じて自動調整される設計が標準です。流入の大半がスマホなら、スマホ起点で設計しPCに展開する「モバイルファースト」が推奨されます。

まとめ|LPファーストビューは「単体」ではなく「広告とCV後の体験」と地続きで設計する

LPファーストビューの設計は、要素・サイズ・キャッチコピー・業種別の型・計測指標まで含めて体系的に進めるのが効率的です。

  • 5要素を商材タイプに合わせて選ぶ:メインキャッチ・サブキャッチ・メインビジュアル・CTA・信頼要素を、toC高単価/SaaS/EC/BtoBの型に合わせて配置
  • サイズはPC1200px幅・高さ550〜750px/スマホ375px幅・高さ600〜750pxを目安に:レスポンシブ対応・LCP2.5秒以内・スマホ文字14px以上・タップ領域44px以上
  • 業種別の型を参考にしつつ、流入元の広告クリエイティブとメッセージマッチさせる:広告→FVの整合が崩れているとCVは伸びない
  • 改善はコピー→オファー→ビジュアル→CTA文言→色の優先順位で1要素ずつABテスト:色から触らず、訴求の核から検証する
  • 直帰率・スクロール深度・FV内CTAクリック率の3指標で効果を見る:1指標だけで判定しない
  • ファーストビュー単体ではなく、手前(広告)と後(本文・フォーム・CV後の体験)まで一続きで設計する:FV単体で動かせるCVRには上限がある

ファーストビューだけを何度も作り変えても、結局CVが伸びないというケースは現場で頻繁に起きます。LP制作で終わらず、広告・FV・本文・フォーム・CV後までを一連で設計する視点を持つと、改善の打ち手が広がります。

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Mariko Sekido
Webマーケティング領域で、課題整理と集客設計から、施策の実行・計測・改善まで担当しています。広告・SEO・Web改善を横断し、現場の意思決定に使える形で考え方とプロセスを整理して発信します。

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