LINEキャンペーン、どの種類を選ぶ?目的別の使い分けと応募後の設計

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この記事でわかること
  • 目的から逆算してキャンペーンの型を選ぶ方法
  • LINE公式アカウントの標準機能で回せる範囲と、ツールが必要になる条件
  • 企画から告知までの5ステップと、友だち追加数以外に置くべきKPI
  • 応募したあとにブロックされないための受け皿の作り方
  • 実施前に確認しておく項目と、その一次情報の所在

LINEでキャンペーンを打つと、友だちは確かに増えます。問題はその後です。配布した特典が使われ、抽選結果が届き、そこで会話が止まる。数週間後に管理画面を開くと、増えた友だちの何割かはすでにブロックしている。

この記事では、キャンペーンを単発の販促ではなく顧客リストの入口として設計する手順をまとめます。型の選び方、LINE公式アカウントの標準機能で回せる境界、応募後に何を残すか。この3つが決まれば、他社の景品や当選人数を調べなくても、企画は自社の数字から組み立てられます。

LINEキャンペーンは「友だちを増やす施策」ではなく「応募後の関係をつくる施策」

結論から言うと、LINEキャンペーンの成否は集めた応募数ではなく、キャンペーンが終わったあとに何が残っているかで決まります。友だち追加数は途中経過の数字であって、成果そのものではありません。

LINEキャンペーンとは|応募のハードルが低く、当選通知が埋もれにくい

LINEキャンペーンは、LINE公式アカウントを使って応募や特典配布を行う販促施策の総称です。友だち追加を応募条件にしたプレゼント企画、その場で当落が出る抽選、アンケートに答えると特典がもらえる企画などが含まれます。

他のチャネルと比べたときの特徴は3つあります。

1つ目は、応募のハードルが低いことです。メールアドレスの入力も会員登録も不要で、友だち追加のワンタップで応募が完了する設計にできます。フォームの入力項目が1つ増えるだけで離脱が起きる世界で、これは大きな差になります。

2つ目は、当選通知が届きやすいことです。メールの当選通知は迷惑メールフォルダに入ったまま気づかれず、特典が失効することがあります。トークに届く通知はスマートフォンの通知欄に出るため、当選者が気づかないまま終わる事故が起きにくくなります。

3つ目が最も重要です。キャンペーンが終わっても、友だちという接点が残ります。抽選が終われば関係が切れる他の応募窓口と違い、次のメッセージを送る手段が手元に残った状態になります。

友だち追加数だけを追うと、キャンペーンが終わった瞬間に戻る

ただし、残った接点を使わなければ、増えた友だちはそのまま減ります。

特典目当てで追加した人にとって、目的は特典であってアカウントではありません。当選しても落選しても、そのアカウントから次に届くメッセージが自分に関係ないと判断された時点で、ブロックの理由ができあがります。キャンペーン後にブロック率が上がりやすいのは、施策の失敗ではなく、受け皿を用意していないことの結果です。

つまり、キャンペーンで本当に設計すべきなのは応募までの導線ではなく、応募したあとに何を送るかのほうです。この記事の構成も、その順番で組んでいます。

他社の事例を見るときは、景品ではなく「型と応募条件」を見る

キャンペーンの企画では、まず他社の事例を集めるところから入る人が多いはずです。ただし事例から持ち帰れるものは限られます。

景品の金額や当選人数は、その企業の予算と在庫の事情で決まった数字です。自社に当てはめても意味がありません。事例を見るときに拾うべきなのは、次の3点です。

  • どの型を使ったか:友だち追加を条件にしたのか、購入を条件にしたのか、回答を条件にしたのか
  • 応募条件と商材の距離:応募した人が、その企業の顧客になりうる人だったか
  • 終わったあとに何を送っていたか:当選通知で終わっているか、次の接点が用意されているか

3点目まで書かれている事例はほとんど見つかりません。そこが各社の設計が分かれる部分であり、この記事が扱う範囲でもあります。LINE公式アカウントの活用パターンを幅広く知りたい場合はLINE公式アカウントのビジネス活用事例10選を、運用の全体像から整理したい場合はLINEマーケティング完全ガイドをあわせてご覧ください。

LINEキャンペーンを告知・応募・当選通知・受け皿の4区間に分け、各区間でやることと見る数字を並べ、成果を決める4区間目の受け皿を強調した図

目的別に選ぶ、LINEキャンペーンの種類

結論として、キャンペーンの型は「どれが流行っているか」ではなく「誰を集めたいか」と「どこまで手間をかけられるか」の2つで決まります。ここでは代表的な5つの型を、向いている目的とセットで整理します。

友だち追加キャンペーン|新規の接点を一気に増やす

友だち追加を応募条件にして、追加してくれた人に特典を渡す型です。最もシンプルで、追加費用をかけずに始められます。

向いているのは、まだ友だち数が少なく、配信する相手がいない段階です。逆に、すでに一定数の友だちがいて「動いてもらうこと」が課題になっている場合、この型を選んでも数字は増えますが売上は動きません。

注意点は、誰でも応募できるぶん、自社の商材に関心がない人も集まることです。特典を自社商材に関係するものにしておくと、集まる人の質が変わります。

抽選・インスタントウィン|その場で当落を出して参加率を上げる

応募した瞬間に当落が表示される型です。結果を待つ必要がないため、参加のハードルがさらに下がり、参加率を取りやすくなります。

LINE公式アカウントの標準機能では、クーポンに抽選の設定を加えることで、当たりとはずれを出し分けられます。当選確率や当選者数を設定できるため、小さく試す用途には十分です。大規模なインスタントウィンや、当選内容を複数段階に分けたい場合は、外部のシステムが必要になります。

応募・アンケート型|特典と引き換えに属性データを受け取る

いくつかの質問に答えてもらい、その回答と引き換えに特典を渡す型です。応募数そのものより、回答内容が価値になります。

居住エリア、興味のある商品カテゴリ、来店のきっかけなど、次の配信を出し分けるための情報をここで受け取ります。取得した項目がそのまま後述するタグになるため、この型は他のどの目的とも組み合わせられます。

質問設計と設定手順はLINE公式アカウントのアンケートの作り方で詳しく扱っています。

レシート・シリアル応募|購入者だけを対象にする

対象商品を購入した人だけが応募できる型です。レシート画像やパッケージのシリアルナンバーを送ってもらい、購入の事実を確認してから抽選に進みます。マストバイキャンペーンとも呼ばれます。

購買に直結するため成果が見えやすい一方、判定作業が発生します。画像の読み取り、不正応募の確認、応募者からの問い合わせ対応まで含めると、標準機能だけで回すのは現実的ではありません。専用システムや事務局体制の検討が前提になります。

クーポン・ショップカード型|既存客の再来店につなげる

新規獲得ではなく、すでに友だちになっている人に動いてもらう型です。期間限定クーポンの配布、来店ごとにポイントがたまるショップカードなどが該当します。

友だち数は増えませんが、増やしたあとに何もしていないアカウントにとっては、こちらのほうが先に手をつけるべき施策です。配信の到達先がすでにあるため、投資対効果も測りやすくなります。

目的から型を選ぶ早見表

自社の目的を左列から選び、対応する行を見てください。

目的向く型主に見るKPI必要な仕組み
新規の友だちを増やす友だち追加+抽選クーポン友だち追加数 / 応募完了率標準機能で可
購入につなげるレシート・シリアル応募応募数 / 対象商品の販売数外部システムが必要
顧客データを集める応募・アンケート型回答完了率 / 取得できた項目数拡張ツールが必要
再来店・再購入を促すクーポン・ショップカード型クーポン利用率 / 再来店数標準機能で可
参加率を最大化するインスタントウィン参加率 / 再参加率外部システムが必要

複数の目的を同時に追いたくなりますが、型を混ぜると評価軸がぼやけます。1回のキャンペーンで追う目的は1つに絞ってください。

新規の接点を増やすか既存客に動いてもらうかと、標準機能で回せるか外部システムが必要かの2軸で、LINEキャンペーンの型を4象限に配置したマトリクス図

LINE公式アカウントの標準機能でできる範囲と、ツールが必要になる範囲

結論として、標準機能で回せるのは「全員に同じものを配る」までです。応募者ごとに違う対応をしようとした時点で、拡張ツールの検討が必要になります。ここを誤解したまま企画を進めると、実装の段階で手が止まります。

管理画面の「キャンペーン」は、抽選や応募フォームを作る機能ではない

最初につまずきやすいのがここです。

LINE公式アカウントの管理画面には「キャンペーン」というメニューがあります。名前から抽選や応募受付を作る機能だと思って開くと、想定と違う画面が出てきます。公式マニュアルによると、このメニューは複数のメッセージ配信をひとまとまりとして扱い、キャンペーン単位で結果を集計するためのものです。メッセージ配信メニューの中にあり、分析のための機能として位置づけられています。

つまり、施策としてのキャンペーンを作る場所ではなく、施策の結果をまとめて見るための集計単位です。3回に分けて送った告知メッセージを1つのキャンペーンとして束ねれば、全体の反応率と各メッセージの反応率を比べられます。効果測定には役立ちますが、応募の仕組みそのものはここでは作れません。

実際に抽選を回す機能は、後述するクーポンのほうにあります。なお仕様は変更される可能性があるため、実装前に公式の最新情報を確認してください。

標準機能だけで回せるキャンペーン

追加費用をかけずに実施できるのは、次の範囲です。

  • 抽選つきクーポンの配布:クーポン作成時に獲得条件として抽選を選ぶと、その場で当たりとはずれが出るくじ引き形式になります。当選確率と当選者数を設定できます
  • 友だち追加を条件にした特典配布:あいさつメッセージでクーポンやコードを渡す形にすれば、追加と同時に特典を届けられます
  • リッチメニューからの告知:トーク画面下部のメニューに応募の入口を置き、期間中だけ差し替えます
  • 簡易な回答の受け付け:選択肢が少なく、回答を後から手作業で集計できる規模であれば、自動応答の組み合わせで対応できます

この範囲で試すことには意味があります。企画が当たるかどうかは、やってみないと分からない部分が残ります。最初から大きな仕組みを用意するより、標準機能で小さく回して反応を見たほうが、判断材料が早く手に入ります。

拡張ツールや外部サービスが必要になる4つの条件

次のいずれかに当てはまったら、標準機能の外側を検討する段階です。

  1. 応募者ごとに違うメッセージを送りたい:回答内容や属性に応じて配信を出し分けるには、応募情報を友だち1人ずつに保存する仕組みが要ります
  2. 応募から当選通知までを自動でつなぎたい:応募を受けて、条件で分岐し、時間差でフォローする流れを人手でやらない場合はステップ配信の機能が必要です
  3. 画像やコードの真偽を確認する必要がある:レシート画像の判定、シリアルナンバーの照合は、専用システムか事務局の体制が前提になります
  4. 応募数と問い合わせ数が人手を超える:当選処理と問い合わせ一次対応の量で判断します。数百件を超えたあたりから、片手間では回らなくなります

1と2は拡張ツールの領域、3と4は外部サービスや事務局の領域です。企画段階でこの4つを確認しておくと、実装で立ち往生する事態を避けられます。

設計から配信の運用までを外部に任せる選択肢もあります。どこまで任せるかと費用の内訳はLINE運用代行は任せる範囲で決まる。費用の内訳と依頼の仕方で整理しています。

費用の考え方|機能は無料でも配信通数で変わる

LINE公式アカウントは無料で開設でき、ここまで挙げた標準機能自体に追加費用はかかりません。ただしメッセージ配信には通数のカウントがあり、料金プランによって無料で送れる通数が変わります。

キャンペーンは短期間に配信が集中する施策です。告知、リマインド、当選通知、落選通知、その後のフォローと、1人あたり5通前後を送ることになります。友だち数が増えるほど通数も増えるため、企画段階で想定通数を計算しておいてください。プランごとの通数と料金は改定されることがあるため、最新の条件はLINEヤフー公式で確認するのが確実です。

LINE公式アカウントの標準機能・拡張ツール・外部サービスや事務局の3層でできることと、次の層に上がる合図を入れ子で示した図

LINEキャンペーンのやり方|企画から告知までの5ステップ

結論として、実施の順番は「目的 → KPI → 応募条件と景品 → 導線と機能 → 告知」です。この順番を守ると、企画の途中で実装できないことに気づく事故が減ります。

ステップ1|目的を1つに絞る

最初に決めるのは、このキャンペーンで何を増やしたいのかです。

新規の友だちを増やすのか、既存客に再来店してもらうのか、顧客データを集めるのか。前の章の早見表で自社の行を1つ選んでください。2つ選びたくなったら、それは2回に分けるべき企画です。

目的が決まらないまま「まず話題になる企画を」と形式から入ると、終わったあとに何を評価すればいいか分からなくなります。

ステップ2|KPIを友だち追加数以外にも置く

目的が決まったら、達成を測る数字を決めます。友だち追加数だけを置くのは避けてください。追加数は増やそうと思えば景品の大きさで増やせるため、施策の良し悪しを判断できません。

最低限、次の4つを並べて見ることをおすすめします。

  1. 応募完了率:告知に接触した人のうち、応募まで至った割合。導線の詰まりが分かります
  2. 当選通知からの再接触率:通知を受け取った人のうち、リンクを開いた、来店した、次の行動を取った割合
  3. キャンペーン後30日のブロック率:受け皿が機能しているかが最も端的に出る数字です
  4. キャンペーン経由の来店・購入・問い合わせ数:最終的な成果。計測できる範囲で構いません

3番目を最初から測ると決めておくことが重要です。終了直後の友だち数だけを報告すると、施策は成功したことになり、1か月後に減った理由が誰にも共有されません。

ステップ3|応募条件と景品を決める

応募条件は、目的から逆算します。新規を集めたいなら友だち追加のみ、データを集めたいならアンケート回答、購入につなげたいならレシートの提出です。

景品を決めるときの判断軸は「欲しい人が自社の顧客と重なるか」の一点です。誰でも欲しいものを選ぶと応募数は伸びますが、集まった人の大半は商材に関心がありません。金額の大きさより、商材との距離を優先してください。自社商品や自社で使える割引のほうが、汎用のギフト券より結果的に残る友だちが増えます。

なお、購入を条件にするかどうかで景品まわりの法的な扱いが変わる論点があります。この点は後の章で確認先をまとめています。

ステップ4|応募導線と必要な機能を確定する

ここで初めて、実装の話に入ります。応募から当選通知までを紙に書き出し、各ステップが標準機能で処理できるか、ツールが必要かを1つずつ確認してください。

前の章の「4つの条件」に1つでも当てはまるなら、この段階でツールの検討を始めます。告知の日程を先に押さえてから実装を考えると、間に合わずに応募処理を手作業で回すことになります。

ステップ5|告知する

最後に告知ですが、ここで多くの企画が想定を外します。LINEの中だけで告知しても、まだ友だちでない人には1通も届きません。

新規獲得が目的なら、告知の主戦場はLINEの外です。自社サイトのバナー、店頭のPOPやレジ横のQRコード、既存のSNSアカウント、メールマガジン、広告。これらの既存チャネルから応募ページへ人を連れてくる導線が前提になります。

既存客向けのキャンペーンであれば、LINE内の配信とリッチメニューで完結します。目的によって告知の設計が変わる点を、企画の最後ではなく最初に確認しておいてください。

応募導線の設計|友だち追加から当選通知までを一本につなぐ

結論として、応募導線で設計すべきなのは画面の見た目ではなく、各ステップで何を記録するかです。記録を残さずに進めると、キャンペーン後の配信で打つ手がなくなります。

友だち追加直後のあいさつメッセージで応募を完結させる

友だち追加の直後は、そのアカウントに対する関心が最も高い瞬間です。ここで応募方法を探させると、そのまま離脱します。

あいさつメッセージに応募の入口をそのまま置き、追加から応募完了まで画面を離れずに終わる形にしてください。「詳しくはこちら」でサイトに飛ばし、そこからまた戻らせる設計は、1ステップごとに人を失います。

同時に、あいさつメッセージはキャンペーン後のブロック率を左右する接点でもあります。応募案内だけで終わらせず、このアカウントが普段どんな情報を送るのかを1行添えておくと、終了後の配信が唐突になりません。

応募はトークとフォームのどちらで受けるか

取りたい情報の量で分けます。

応募に必要なのが1つか2つの選択なら、トーク内の自動応答で受けるほうが完了率は高くなります。ボタンをタップするだけで終わり、入力の手間がありません。

居住エリア、年齢層、興味のあるカテゴリなど3項目以上を取りたい場合は、フォームで受けたほうが結果的にきれいに集まります。トークで一問一答を続けると、途中で会話が止まった応募者の状態が宙に浮きます。

どちらを選ぶにしても、受け取った回答を後から手作業で表に転記する運用にはしないでください。応募が数百件を超えた時点で破綻します。

当選・落選の通知に「次の接点」を必ず載せる

当選通知と落選通知は、キャンペーン中で最も開封される配信です。ここを結果の報告だけで終わらせるのは、もったいない使い方になります。

当選者には、特典の受け取り方法に加えて、来店や利用のきっかけになる情報を添えます。落選者には、落選の事実だけを送らないでください。次回の案内、期間限定のクーポン、応募内容に関連する情報のいずれかを一緒に渡すと、その通知がブロックの引き金になりにくくなります。

友だち追加から応募・回答・抽選結果までの各ステップで付けるタグの例と、タグの有無でキャンペーン後の配信が出し分けられるかどうかの分岐を示したフロー図

キャンペーン後にブロックされない受け皿の作り方

結論として、受け皿とは「応募者ごとに違う配信を送れる状態」のことです。これを作れるかどうかは、キャンペーン中にデータを記録したかで決まります。終わってからでは間に合いません。

応募時に受け取った情報を、その場でタグに変えておく

タグは、友だち1人ずつに付けるラベルのことです。流入元、応募した企画、回答した内容、当落の結果をタグとして残しておくと、キャンペーン後の配信を条件で絞り込めるようになります。

記録しておきたいのは、最低でも次の4つです。

記録するタイミング付けるタグの例後で何に使うか
友だち追加流入元(店頭 / Web / 広告)流入元ごとの定着率を比較する
応募開始応募した企画名応募者と未応募者で配信を分ける
フォーム回答エリア / 興味カテゴリ関係のある案内だけを送る
抽選結果当選 / 落選落選者に別の案内を出す

これを後から付け直すことはできません。応募が終わってから「誰がどのエリアの人だったか」を調べようとしても、記録がなければ手の打ちようがなくなります。

キャンペーン後の1通目を、全員に同じ内容で送らない

キャンペーン終了後、最初に送るメッセージが定着率を決めます。

全員に同じ内容を送ると、当選した人には「もう受け取った」情報が、落選した人には「自分には関係ない」情報が届きます。どちらにとっても、通知の価値が下がります。タグで分けて、当選者には利用を促す内容を、落選者には次の機会を、未応募のまま残った人には別の切り口の案内を送ってください。

絞り込みの具体的な設定手順はLINEセグメント配信とはにまとめています。配信のタイミング設計についてはシナリオ配信を初動12時間に集中させた事例が参考になります。

落選した人にこそ、次に来る理由を渡す

応募者の大半は落選者です。人数で言えば、キャンペーンで得た友だちのほとんどがここに含まれます。

落選通知を「残念ながら」の1文で終わらせると、そのアカウントから受け取る最後のメッセージが落胆の通知になります。落選と同時に使えるクーポンを渡す、次回キャンペーンの先行案内を受け取れるようにする、応募内容に関連する情報を送る。どれか1つでも添えておけば、関係が切れる理由が1つ減ります。

効果測定は「キャンペーン後30日」まで見る

最後に、評価の期間を決めておきます。

終了直後の数字は、どんなキャンペーンでも良く見えます。本当に見るべきなのは、30日後に何人残り、そのうち何人が来店や購入に進んだかです。この数字を型ごとに記録していくと、自社にとってどの型が機能するかが2回目以降の企画で分かるようになります。

応募情報をタグとして残し、条件で分岐した配信を自動で回す部分は、LINE公式アカウントの標準機能だけでは組めません。TalkLabelは、応募フォームの回答を友だち情報として保存し、タグに応じたシナリオ配信を自動で実行できるLINE運用ツールです。キャンペーン後の受け皿をどう作るかで迷っている段階であれば、現状の運用をふまえた設計から相談できます。

実施前に確認しておく項目|景品表示法とLINEのガイドライン

注意事項

この記事では法令の解釈を示しません。キャンペーンの景品まわりには確認が必要な論点があり、判断は一次情報と専門家に当たるのが確実です。ここでは「何を、どこで確認するか」を整理します。

景品規制は「購入が条件かどうか」で扱いが変わる論点がある

景品表示法には、事業者が提供する景品類について定めがあります。実務上まず押さえておきたいのは、応募に購入や利用を条件とするかどうかで扱いが変わる論点があることです。

誰でも応募できる形と、対象商品の購入者だけが応募できる形では、確認すべき事項が異なります。自社の企画がどちらに当たるかを整理したうえで、消費者庁の情報で該当する条件を確認してください。金額の上限や具体的な該当性については、消費者庁の「景品規制の概要」ページを一次情報として参照し、判断が難しい場合は法務担当や専門家に確認することをおすすめします。

景品の内容や金額を先に決めてから確認すると、企画のやり直しになります。ステップ3の景品を決める段階で、並行して確認を始めてください。

LINEの素材利用・応募受付に関するガイドラインを確認する

法令とは別に、LINEのプラットフォーム側にもルールがあります。

告知物やバナーでLINEの名称やロゴを使う場合、広告・販促・告知物等におけるLINE関連素材使用についてのガイドラインに使用条件が定められています。印刷物を発注したあとで修正が必要になると手戻りが大きいため、デザインの確定前に確認しておくのが安全です。

LINEヤフーが提供する応募受付のサービスを利用する場合は、そのサービス自体の審査基準があります。LINEで応募 審査ガイドラインに内容が公開されています。いずれも改定されることがあるため、実施のたびに最新版を確認してください。

実施前チェックリスト

企画が固まった段階で、次の項目に答えられる状態になっているかを確認してください。

  1. このキャンペーンで増やしたい数字を1つに決めたか
  2. 友だち追加数以外のKPIを3つ以上設定したか
  3. 応募条件は、購入や利用を条件とするものか、誰でも応募できるものか整理したか
  4. 景品の内容について、消費者庁の情報で該当する条件を確認したか
  5. 告知物でのLINE関連素材の使い方を、公式ガイドラインで確認したか
  6. 応募から当選通知までの各ステップを、標準機能で処理できるか確認したか
  7. 応募時に記録するタグを決めたか
  8. キャンペーン終了後に送るメッセージを、当選者・落選者・未応募者それぞれ用意したか
  9. 想定する配信通数を計算し、料金プランと照らし合わせたか
  10. 効果測定を終了30日後まで行うと決めたか

すべてにチェックが入らない項目があれば、そこが本番でつまずく箇所です。

LINEキャンペーンでよくある5つの失敗

結論として、失敗の大半は企画段階で防げます。実施中に起きる問題の多くは、企画のときに決めていなかったことが表面化したものです。

失敗1|目的が「話題づくり」のまま数値化されていない

社内で企画が通りやすいのは、派手で目を引く内容です。ただし「話題になる」を目的にすると、終わったあとに成功したかどうかを誰も判断できません。

防ぎ方は、企画書に数字を1つ書くことです。友だちを何人増やすのか、何件の応募を集めるのか、そのうち何人に来店してもらうのか。数字が入った瞬間に、企画の内容も現実的なものに変わります。

失敗2|景品が広すぎてターゲット以外が集まる

人気の高いギフト券や家電を景品にすると、応募数は確実に伸びます。同時に、自社の商材に関心のない人が大量に集まります。

その人たちは当選か落選が分かった時点で離れます。結果として、増えた友だち数に対して、キャンペーン後の配信が届く人はほとんど残りません。商材との距離が近い景品を選ぶほうが、最終的な成果は大きくなります。

失敗3|応募処理を人が手作業でさばいている

応募が想定より集まったとき、最初に壊れるのは処理の部分です。トークで受けた応募内容を1件ずつ表に転記し、抽選して、当選者に個別で連絡する。この運用は数十件までなら回りますが、数百件で止まります。

応募数の想定を2倍にして、その数でも回るかを企画段階で確認してください。回らないなら、ステップ4の時点でツールの検討に入る必要があります。

失敗4|キャンペーン後に送るものが用意されていない

最も多い失敗です。告知から当選通知までは丁寧に設計されているのに、その次が白紙になっています。

結果として、終了後に配信が止まるか、全員に同じ内容の配信が続くかのどちらかになります。どちらもブロックにつながります。キャンペーンの企画書には、終了後1か月分の配信計画まで含めてください。

失敗5|評価を友だち追加数だけで済ませている

終了直後の友だち追加数だけを報告すると、施策は成功したことになります。1か月後に数字が戻っていても、その報告は誰にも上がりません。

型ごとの定着率が蓄積されないため、次のキャンペーンでも同じ設計を繰り返すことになります。30日後の残存数と、そこからの来店・購入を記録に残してください。この記録が、2回目以降の企画の精度を決めます。

増えた友だちを来店や予約につなげる設計そのものについては、LINE集客は友だち追加の後で決まるで手順を追って解説しています。

LINEキャンペーンに関するよくある質問

LINE公式アカウントの「キャンペーン機能」で抽選はできますか
管理画面の「キャンペーン」メニューは、複数のメッセージ配信をひとまとまりとして集計するための機能です。抽選や応募フォームを作る機能ではありません。その場で当落を出す抽選は、クーポン作成時に獲得条件として抽選を選ぶことで設定できます。仕様は変更される場合があるため、実装前に公式の最新情報を確認してください。
LINEキャンペーンは無料で実施できますか
LINE公式アカウントの開設は無料で、クーポンやあいさつメッセージなどの標準機能にも追加費用はかかりません。ただしメッセージ配信には通数のカウントがあり、料金プランによって無料で送れる通数が変わります。キャンペーンは短期間に配信が集中するため、想定通数を企画段階で計算しておいてください。料金の詳細はLINEヤフー公式で確認するのが確実です。
標準機能だけでどこまでのキャンペーンができますか
全員に同じものを配る範囲であれば、標準機能で回せます。抽選つきクーポンの配布、友だち追加を条件にした特典配布、リッチメニューからの告知、少数の選択肢による回答受付までが目安です。応募者ごとに違うメッセージを送る、応募から通知までを自動でつなぐ、画像やコードの真偽を確認する、といった要件が出た時点で拡張ツールや外部サービスの検討に入ります。
友だちになっていない人に、どうやってキャンペーンを知らせますか
LINE内の配信は、すでに友だちになっている人にしか届きません。新規獲得が目的なら、自社サイト、店頭のPOPやQRコード、既存のSNSアカウント、メールマガジン、広告といったLINEの外のチャネルから応募ページへ誘導する導線が前提になります。告知の設計は企画の最後ではなく、目的を決めた直後に考えてください。
応募はトークとフォームのどちらで受けるのがよいですか
取りたい情報の量で決めます。選択が1つか2つで済むならトーク内の自動応答のほうが完了率は高くなります。エリアや興味カテゴリなど3項目以上を取りたい場合はフォームのほうが確実です。いずれの場合も、受け取った内容を手作業で表に転記する運用は避けてください。応募数が増えた時点で回らなくなります。
景品表示法はどこを確認すればよいですか
消費者庁が公開している景品表示法の情報を一次情報として確認してください。応募に購入や利用を条件とするかどうかで確認すべき事項が変わる論点があるため、自社の企画がどちらに当たるかを整理してから当たると効率的です。該当性の判断が難しい場合は、法務担当や専門家に確認することをおすすめします。あわせて、告知物でLINEの名称やロゴを使う場合は、LINEヤフー公式のガイドラインも確認してください。
キャンペーン後のブロックを減らすには何から始めればよいですか
応募時にタグを記録するところから始めてください。流入元、応募した企画、回答内容、当落の結果を残しておけば、終了後の配信を相手ごとに出し分けられます。タグがない状態では全員に同じ配信を送るしかなく、関係のない通知が届いた人からブロックされます。記録は後から付け直せないため、キャンペーン開始前に何を残すかを決めておくことが重要です。
キャンペーンの効果はどの数字で判断すればよいですか
友だち追加数だけで判断しないでください。応募完了率、当選通知からの再接触率、終了30日後のブロック率、キャンペーン経由の来店や購入の件数を並べて見ます。特に30日後の残存を測ると決めておくことで、受け皿が機能しているかが判断できます。この記録を型ごとに蓄積すると、次回以降の企画精度が上がります。

まとめ|キャンペーンは「入口」であって「成果」ではない

LINEキャンペーンで友だちを増やすこと自体は、それほど難しくありません。景品を用意して告知すれば、数字は動きます。

難しいのは、増えた友だちを1か月後も残すことです。そのために必要なのは大きな予算ではなく、応募のたびにタグを残し、終了後の配信を相手ごとに分けるという地味な設計です。

この記事の内容を実施順にまとめると、次のようになります。

  1. 目的を1つに決め、早見表から型を選ぶ
  2. 友だち追加数以外のKPIを設定する
  3. 応募条件と景品を決め、並行して確認事項に当たる
  4. 応募から当選通知までを図に書き、標準機能で足りるか確認する
  5. 応募の各ステップで記録するタグを決める
  6. LINEの外のチャネルから告知する
  7. 終了後の配信を当選者・落選者・未応募者に分けて用意する
  8. 30日後の残存と来店・購入まで記録する

キャンペーンは顧客リストの入口です。入口をどれだけ広げても、その先に部屋がなければ人は出ていきます。次の企画を立てるときは、告知の内容より先に、終わったあとに送るメッセージから決めてみてください。

応募データをタグとして保存し、条件に応じた配信を自動で回す仕組みづくりについては、LINE運用ツールを自社で開発・運用している立場から具体的な設計をご提案できます。

LINE運用の全体設計とキャンペーン後の集客については、以下の記事もあわせてご覧ください。

LINE集客の方法・事例・ツールを完全ガイド|5ステップと成功のコツを解説 LINE集客は友だち追加の後で決まる。予約率13%→32.5%の設計手順

LINE公式アカウント活用ガイド|「連絡手段」で終わらせない事業設計の全体像 LINEマーケティング完全ガイド|「連絡手段」で終わらせない事業設計の全体像

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