LINE公式アカウントとは ?機能や料金、運用上の注意点まで分かりやすく解説

LINE公式アカウントとは 機能や料金運用上の注意点まで分かりやすく解説

・LINE公式アカウントって何?
・どんな機能があるの?無料で作れる?
・機能がイマイチ分からない

この記事ではLINE公式アカウントの基本機能や料金、運用上の注意点まで知るべき特徴を網羅的に解説していきます。

目次

1.LINE公式アカウント(旧LINE@)とは

LINE公式アカウントとは

LINE公式アカウントとは、ひと言で言うと企業やビジネス用のLINEアカウントです。個人用のLINE同様、友だちになったユーザーにメッセージや情報を気軽に届けることができます。

LINEは現在、日本で月間9,200万人以上の方が利用しているアプリです。(2022年3月末時点)この数字は日本の総人口の約70%にあたり、現代人には欠かせないコミュニケーションツールの1つだと言えます。
以前は「LINE@(ラインアット)」というビジネス用LINEサービスもありましたが、分かりやすくするため2019年4月から「LINE公式アカウント」に統一化されました。

そのためLINEを活用してビジネスを加速させる企業や店舗が年々増加しています。実際にLINE公式アカウントを使えば、友だちになったユーザーと直接コミュニケーションを取れたり、すぐに新サービスやお得な情報をお届けすることができるようになるため、販売促進やカスタマーサポートの充実といった効果が期待できます。(2021年8月時点でLINE公式アカウント数1,596万件)

ユーザー側に喜ばれるメッセージ配信を心がければ、企業や商品サービスへ親しみやすさや好意を抱いてもらえるようになる点も魅力の1つです。

2.LINEとLINE公式アカウント(旧LINE@)との違い

LINEとLINE公式アカウントの違い

「一般的なLINEとLINE公式アカウント(旧LINE@)って何が違うの?」という疑問にお応えして、まず一般的なLINEとLINE公式アカウントの主な違いについてご紹介します。

1.1対多数の縮図

LINE公式アカウントは1対1のメッセージやり取りだけでなく、友だち追加してくれた多数の人々に向けて一斉にメッセージを送ることができます。あなたの届けたいメッセージを好きなタイミングでユーザー側に伝達することができます。

2.複数人で管理・運営ができる

一般のLINEと違って複数人で管理画面を共有し、運用することができます。チームでルールを決めて必要なメンバーに権限を与え、円滑に運用をすることで導入効果の最大化を図ることができるでしょう。

3.アカウントを複数作ることができる

LINE公式アカウントは1つのLINEビジネスIDにつき100アカウントまで作成することができます。使用目的に応じて無料でも複数アカウントを作れるので気軽に管理を最適化できます。

3.LINE公式アカウントのプラン・料金

LINE公式アカウントは普通のLINEでは使えない機能やプランがさまざま用意されています。ここからより具体的なプランや機能についてご説明します。

1.「フリープラン」「ライトプラン」「スタンダードプラン」の違い

まずLINE公式アカウントは無料で利用できる「フリープラン」と有料の「ライトプラン」「スタンダードプラン」の3種類があります。

LINE公式アカウントの料金プラン表
引用元:https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20200204/

プランはいつでも変更可能なのでまずは無料のフリープランから始めることをオススメします。

自分の適切なプランを知りたい方は、友だちの人数と月間の配信メッセージ数を入力するだけでおすすめプランを指定してくれる通数費用シュミレーターもありますのでご活用ください。

2.認証済みアカウントと未認証アカウントの違い

LINE公式アカウントは、料金プラン以外にも「未認証アカウント」「認証済アカウント」の2種類のアカウントプランがあります。

  • 「未認証アカウント」
    法人個人問わず無料で審査なく作れるアカウント
  • 「認証済アカウント」
    アカウント開設後に申請を行い、審査を通過することで取得できるアカウント

認証済アカウントの最大の魅力は、以下の画像のようなアカウントバッジが付与され、LINEアプリ内での検索結果に表示されるようになることです。公式からお墨付きとして認定されるため、一目で信頼のおけるアカウントだとアピールすることができます。

4.LINE公式アカウントの基本機能

次にLINE公式アカウントの主な基本機能について解説していきます。

1.メッセージ配信

メッセージ配信とは、友だち追加してくれたユーザーに対して、企業や店舗側からメッセージを送ることができる機能です。1回の配信で最大3つの吹き出しを同時にメッセージで送ることができます。また配信できるメッセージには様々な種類があり、目的に応じて伝え方を変えることで効果的なコミュニケーションを図ることができます。

2.ステップ配信

ステップ配信とは、あらかじめ作成したメッセージを指定のタイミングや期間に応じて自動で配信する機能です。例えば友だち追加されてから「2日後の18:00~19:00の間に配信する」というような設定を複数しておいて希望のタイミングに自分の組んだステップ通りメッセージを送るといったことが可能です。

3.絞り込み配信

絞り込み配信とは、ユーザーの属性を絞り込みメッセージを配信することです。例えば「関西地方・30〜34歳・女性」といった条件を設定し、その条件に当てはまるユーザーのみにメッセージを配信することができるということです。

友だち追加してくれたユーザーに無作為かつ高頻度でメッセージを配信するとアカウントブロックされる確率が高まります。絞り込み配信であらかじめ特定のユーザーに届け先を選定することで満足度の高い配信が可能となります。

絞り込める属性の種類は以下の5つになります。

  • 友だち期間
  • 性別
  • 年齢
  • OS
  • エリア

4.A/Bテストメッセージ

A/Bテストメッセージとは、特定の要素を変更したAパターン・Bパターンのメッセージを作成し、同じ条件でユーザーに配信する機能です。配信後にそれぞれの分析結果を確認し、どのパターンが最もパフォーマンスの高いメッセージだったかを検証します。成果の高かったパターンを採用していくことでメッセージ反応率の向上・最適化が期待できます。

※ただしABテストメッセージは5000人以上のターゲットリーチがいないと実施することができません。

5.チャット機能

チャット機能とは、友だちになっているユーザーと1対1でメッセージのやり取りをする機能です。ユーザーと身近な距離感でコミュニケーションを取ることができるため、手厚いカスタマーサポートを実現することが可能です。

チャット機能を利用する際は、あらかじめユーザーからメッセージを送ってもらう必要があります。そのため個別のチャットを受け付けていることを周知して、ユーザー側から先にメッセージを送ってもらうようにしましょう。

6.LINE VOOM(旧タイムライン投稿)

LINE VOOM(旧タイムライン投稿)とは、ショート動画を作成して投稿する機能です。2021年11月にてタイムライン機能から「LINE VOOM」という名前にリニューアルしました。動画をメインとしたプラットフォームですが、テキストや画像で記事を作成して投稿することも可能です。

7.あいさつメッセージ

あいさつメッセージとは、公式LINEアカウントを追加した際に自動送信されるメッセージのことです。このメッセージは追加したアカウントを見続けるかどうかの重要な判断材料になります。ユーザーにストレスを与えることなく欲しい情報を提供する工夫や、今後もメッセージ配信を受け取りたいと思わせる期待感を要素として加えましょう。

あいさつメッセージの具体例:

  • 企業や店舗の紹介
  • お得なクーポンの配布
  • 追加してくれたことへの感謝
  • 今後配信する情報について
  • 商品ページへの誘導リンク
  • アカウント追加者だけのお得な情報

8.応答メッセージ/AI応答メッセージ

応答メッセージとは、ユーザーから送られてきたメッセージに「キーワード」があれば反応して、あらかじめ設定しておいた返信内容を自動で送る機能です。

例えば以下のようにユーザー側から「営業時間」について質問が来た場合、キーワードに「営業時間」をしていれば、それに応じて自分が事前に設定した適切なメッセージを自動返信することができます。

応答メッセージ

次にAI応答メッセージとは、ユーザーから送られてきたメッセージをAIが判断して適切なメッセージを返信する機能です。応答メッセージ機能では「キーワード」を設定する必要がありますが、AI応答メッセージは「キーワード」設定はしません。その代わりに、

  • 自分の業種の選定
  • どんなタイプの質問が来た時に
  • どんなメッセージを送るのか

という3つの要素を管理画面で設定する必要があります。

9.リッチメッセージ/リッチビデオメッセージ

リッチメッセージとは、画像やテキストを組み合わせて視覚的にインパクトの強い訴求メッセージを届ける機能です。テキストだけの情報よりも分かりやすく、関心を抱きやすいため商品ページやサイト記事を案内する際に高い誘導効果が期待できます。

次にリッチビデオメッセージとは、トーク画面を開いた瞬間に自動再生される動画を設定できる機能のことです。リッチメッセージ同様、テキスト以上の強い訴求メッセージを作成することができます。

動画は縦型/横型/正方形など、さまざまな形式に対応しており、縦型の動画を遅ればトーク画面いっぱいまで動画を広げて見せることができます。

10.カードタイプメッセージ

カードタイプメッセージとは、複数枚の画像をカード型のメッセージとして配信する機能です。カードのタイプには「プロダクト・ロケーション・パーソン・イメージ」といった4種類があり、最大9枚まで画像を設定することができます。

11.リッチメニュー

リッチメニューとは、トーク画面の最下部に固定表示されるメニュー画面のことです。あらかじめアクション設定しておけば、メニューをタップするだけで外部サイトへ誘導やクーポンの表示など指定したアクションを取らせることができます。

リッチメニュー

12.クーポン

クーポンとは、クーポンを作成・配信する機能です。ユーザーはクーポンを画面に掲示することでお得な割引やプレゼントを受け取ることができます。お得なクーポンは新規顧客の集客やリピーターの来店動機につながります。ユーザーが喜ぶクーポンを積極的に発行してみましょう。

13.リサーチ

リサーチとは、ユーザーからの意見をアンケートや投票形式で集計・確認することができる機能です。友だち追加してくれたユーザーのニーズや興味関心を把握し、より反応率の高いメッセージの作成につながる調査ができます。

リサーチの種類:

  • 自由回答・・自由にテキストで回答できる形式(未認証アカウントは利用不可)
  • 単一回答・・選択肢の中から1つの回答を選択できる形式
  • 複数回答・・選択肢の中から複数の回答を選択できる形式

14.分析

分析機能とは、友だち追加数やブロック数、ユーザーの属性やメッセージに関する統計情報を管理画面で見ることができる機能です。

(2022年7月時点で分析機能で確認できる項目は以下です。)

  • 友だち(追加数・詳細等)
  • 友だち追加(経路)
  • チャット
  • プロフィール
  • タイムライン
  • メッセージ通数
  • メッセージ配信
  • クーポン
  • ショップカード

5.LINE公式アカウントのメリット

ここではLINE公式アカウントを活用するメリットについてまとめます。

1.リピーター獲得、顧客満足度につながる

LINE公式アカウントの機能を使えばリピーター獲得・顧客満足度の向上を見込めます。新メニューの告知、お得なクーポン配布、LINE上での予約システム導入など、効果的な販売促進の実施ができます。またLINE上で把握できる行動データやアンケートを分析して、見込み客や顧客のニーズを把握できれば、着実にマーケティング改善を行うことができます。

2.コスト削減、自動化ができる

応答メッセージ等の機能を使えば定型文のやり取りで簡易的なカスタマーサポートを自動化することができます。また予約システムやLINEチラシの導入によりアナログ的なやり方で使われる無駄な経費(印刷代や人件費等)の削減も期待できます。

3.見込み客の増加、顧客側と気軽につながれる

LINEはスマホでQRコードを読み取ったり、友だち追加ボタンをタップしたりするだけで見込み客や顧客と繋がり情報を共有することができます。難しい操作や個人情報の入力も必要ありません。この気軽さが企業と顧客の距離感を縮めることを可能にしています。その結果、若者世代を中心としたデジタルでの接点を獲得し、見込み客の増加に繋がります。

4.高い開封率が見込める

LINEの月間利用者数9,200万人のうち、1日に1回以上利用するユーザーは85%(2021年12月末時点)スマホが普及して身近になったLINEから送られるメッセージは高い開封率が見込めます。例えば一般的なメルマガ購読の開封率が10-30%と言われる中で、LINEの開封率はその3倍の約60%にも及ぶと言われます。届けたいメッセージを顧客側に見てもらうことは、ユーザーとの関係値をより強化することに繋がります。

6.LINE公式アカウントのデメリット

次にLINE公式アカウントのデメリットについて解説します。

1.友だち追加をしてもらわないといけない

LINE公式アカウントでメッセージを配信するには、友だちをゼロから集めなければいけません。アカウント作成後は積極的に友だちを増やしていきましょう。またその際に、ユーザー側にとってメリットになるようなLINE追加者限定のクーポンやプレゼントを用意することで友だち追加したくなる理由を作ってあげるのがオススメです。

2.簡単にブロックできてしまう

一度友だちになってくれたからといって必ずメッセージを読んでくれるわけではありません。実際に公式アカウントは通知が多いことを理由に毛嫌いされてブロックする人も多いです。顧客側の目線に立って、役立つ情報提供や見続けたくなるアカウント作りをする必要があります。

7.LINE公式アカウントの企業活用事例

ここでは、LINE公式アカウントを導入して顕著な成果をあげている企業の紹介をします。デザイン性も含めあなたのアカウント作成の参考になるのでぜひLINE追加して確認してみてください。

※累計友だち数は常に変動があります、ご了承ください。

1.スターバックスコーヒー(累計友だち数:850万人)

スタバのLINE公式アカウントは新規ユーザーの来店の敷居を下げる工夫が満載です。LINE内で瞬時に発行できる「LINEスターバックスカード」を使えば、スマホ決済・LINE payでの決済が可能になります。また受け取り場所を指定して予約をすれば待ち時間もなくなります。ドリンクのカスタマイズに悩む初心者もLINE上で感覚的に画面タップを繰り返すだけで理想の商品に出会えるアカウント設計がなされてます。

スターバックスのLINE公式アカウント
引用元:https://page.line.me/601xwgmk

2.ワコール(累計友だち数:1157万人)

友だち登録するだけで500円クーポンをもらえるワコールの公式LINEアカウント。LINEを追加すると「知りたい情報の数字を入力してね」と表示され、実際に数値を送信してみると自動で欲しい情報が送られてきます。追加した瞬間からユーザビリティの高さが見受けられるアカウント設計はとても参考になります。

ワコールのLINE公式アカウント
引用元:https://page.line.me/868rbekg

3.ミュゼプラチナム(累計友だち数:1261万人)

2018年頃よりLINE広告及びアカウント運用を開始したミュゼプラチナム。メインターゲットである20〜34歳の女性たちはスマホやLINEを積極的に使っているため、公式LINEアカウントは急激に成長しました。定期的に新規顧客に向けた「Talk Head View」(LINEのトーク画面上部に掲載できる1日1社限定の動画広告サービス)やLINE広告を使って幅広い認知を獲得、CPA(顧客獲得単価)を約40%も削減することに成功しました。

ミュゼプラチナムのLINE公式アカウント
引用元:https://line.me/R/ti/p/@museeplatinum?from=page

4.出前館(累計友だち数:4712万人)

日本最大級の出前サービス「出前館」は、2020年末頃よりLINEアカウントとの連携や公式LINEアカウントの運用を開始。新型コロナウイルスの影響によりフードデリバリーサービスの需要は急増する最中、LINE公式アカウントからパーソナライズ化されたお得な情報やクーポンが届くようになってさらに身近に、利用者が急増しました。

出前館のLINE公式アカウント
引用元:https://page.line.me/?accountId=demae-can

8.LINE公式アカウントの作り方

LINE公式アカウントは「公式サイト」から無料で簡単に作成できます。

以下の記事で具体的な作り方と運用法についてまとめました。ぜひチェックしてみてください。

https://spirits-ltd.com/media/2022/09/10/%ef%bf%bc%e3%80%902022%e5%b9%b4%e6%9c%80%e6%96%b0%e3%80%91line%e5%85%ac%e5%bc%8f%e3%82%a2%e3%82%ab%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%ae%e4%bd%9c%e6%88%90%e3%81%8b%e3%82%89%e9%81%8b%e7%94%a8%e6%96%b9/

9.LINE公式アカウントの注意点

LINE公式アカウントの運営上の注意点があります。それは、アカウントが停止・削除される可能性があるという点です。LINE公式アカウントの利用規約に違反していると判断された場合、強制的にアカウントを停止され、使えなくなってしまう可能性があります。

禁止されている主なジャンル:

  • 医療、医薬品関連のコンテンツ
  • 出会い系、アダルト系のコンテンツ
  • ギャンブル系のコンテンツ
  • 情報商材、悪質な詐欺商品
  • ねずみ講、マルチ商法・MLM
  • 個人情報販売、模倣品、海賊版
  • クレジットカード現金化

詳細は、以下の公式ガイドラインをご確認ください。

LINE公式アカウントガイドライン

10.まとめ:

この記事ではLINE公式アカウントの料金やプラン、主な機能、実際に公式LINEを導入して成功した事例まで紹介してきました。LINE公式アカウントがビジネスを加速させる優良なコミュニケーションツールだとお分かり頂けたかと思います。

無料で始めればリスクもありませんので、まだ作成していない方はぜひこの機会に利用してみてください。